梅雨に入る前、初夏の京都市街地サイクリング
淀屋橋から 出町柳
京阪電鉄株主優待切符(金券屋で380円で購入)を使うので、本当は中之島から乗りたかったのだが、輪行のため自転車を置くスペースを確保するため特急 始発の 淀屋橋から乗車。
■ 淀屋橋 08:10発 → 出町柳 09:04着 (京阪電車)
下鴨神社 (賀茂御祖神社)
叡山電鉄コンコースの隅で自転車を再組み立てして出発。目の前の高野川に架かる加茂大橋を渡るとすぐに下鴨神社の巨大な一の鳥居がある。
しばらく行くと「糺の森」(ただすのもり)の南端に達し、自転車進入禁止の表参道となる。
実際は糺の森の東西には道路(住宅街)があり、そこを通ってもっと本殿に近いところまで自転車で行くべきだったのだが、元「右京区民」はそんなことは知る由もなく、糺の森の南端に自転車を置いて表参道を500mほど歩くこととなる。
先週、下鴨神社は葵祭の舞台となった。 あらゆるマスコミが報道した 『斎王代が身を清める「御禊(みそぎ)の儀」』 が行われた御手洗川が本殿の横を流れている。
この写真に写っている川沿いの階段の一番左端が、葵祭で斎王代が御祓の儀を行った場所。
舞殿では、葵祭をしめくくる最後の行事である「煎茶献茶祭」の準備が行われている。
ここから内側は撮影禁止。 本殿もこの中にある。
傍らの説明板には “「さざれ石」とは小さな石という意味です。 火山の噴火により石灰岩が分離集積して凝固した岩石で、長野県の天然記念物。子持ち石とか赤子石とも呼ばれ、『年とともに成長し、岩となると信じられている心霊の宿る石』です” とある。
アベノミクスの 『希望出生率1.8』の無茶な政策にピッタリのオブジェではありませんか。 そんなことを自民党が持ちだせば、またサヨクが騒ぐのかな (笑
河合神社 (下鴨神社の摂社)
鴨長明は、河合神社の宮司のことして生まれたそうな。重職に就くことができず、世の無常と人生のはかなさを嘆き各地を転々としながら執筆したのが『方丈記』と言われている。 方丈とは、“各地を移動している間にすみかとして仕上げたのが「方丈」である。移動に便利なように全て組立式となっている。広さは一丈(約3m)四方。” と説明される鴨長明が住んでいた建物のこと。
河合神社は鴨長明よりも、美人祈願としてのほうが有名らしく、絵馬ならぬ「鏡絵馬」が願掛けに使われている。神社の説明用紙では “河合神社のご祭神は玉依姫命であり、玉のごとく美しいそのお姿からは、美麗の神とも崇められてきた。” そうである。 それゆえ、鏡絵馬には “絵馬に描かれた顔をご自身の顔に見立て、美しい女性になりますようにと願いを込めてご自身の化粧品等でお化粧してください。” とある。 なるほど…
府立植物園
鴨川と遊歩道
下鴨神社から鴨川に沿って1.5kmほど上流に行くと、府立植物園がある。 幼稚園の時の遠足で来たような… 記憶が曖昧なくらい遥か昔にしか来たことがない。
・植物園入場料 : 200円
・温室入場料 : 200円
合計 : 400円
バラが満開。お年寄りも植木市やバラ園に群がっている。植物園の客の大半がお年寄り… 日本の高齢化の縮図ですね。
まずは、温室へ。ここは別途料金で200円掛かるが、さすが見応えがある
宇宙飛行士のための隔離実験施設と言われても違和感がない…
中央アメリカのグアテマラやエクアドル原産の植物。オウムバナの一種で、高級な切り花としてホテルなどに飾られていたりする。
東南アジアのビルマ原産の植物で、神経毒であるインドールアルカロイドの一種コプシアを含み、毒矢に使われたこともあるという。
サバンナの木
熱帯地方のスイレン
メコノプシス・ベトニキフォリア (高山植物)
別名「ヒマラヤの青いケシ」で、ヒマラヤの高山地帯に咲く。モルヒネ原料となる麻薬成分は含まれていませんので、手に届くところに咲いています。
シナノナデシコ (高山植物)
温室を出て、屋外へ。花壇には「タキイ種苗」の小さな看板が立てられていて、花壇の運営管理を大手種苗メーカーが行っているのだろう。 綺麗な花壇を見せて、直売所で種や苗を買ってもらう… 税金使わなくても植物園経営できるね。ただし、お客が入場料以外に種や苗を買ってくれないとダメだけど。
デルフィニウム (ヨーロッパアルプス、中央アジア、ヒマラヤの高地・高山植物)
キンギョソウ (地中海原産の園芸植物)
ネモフィラ、 通称ルリカラクサ (北米原産の園芸植物)
落葉高木センダンの花
白花ブラシノキ (オセアニア原産)
赤山禅院
約4km東にある赤山禅院(せきざんぜんいん)に向かう。北山通を東に直進し、修学院離宮の近くまで行くだけの簡単なルート。約20分で禅院の山門前に到達。 植物園の標高が70m程度、この赤山禅院は120mなので、東山の斜面を50mほど登ってきたことになる。 拝観料は無料だったので、賽銭100円を入れてきた…
拝殿の柱に「皇城表鬼門」との札が掛かっています。 御所の外壁 北東角の軒下に「猿」の彫物が祀られていますが、それに対応して御所の北東方向にある出町柳幸神社と、ここ赤山禅院にも「猿」が祀られています。赤山禅院では拝殿の屋根の上に猿の置物が乗っかっています。
気学では西南西の方向が申(猿)のため、東北東を申で抑えるという意味なのだろう。(ちなみに、南南西は「未」のため、厳密に南西はヒツジとサルのはず…。 偉い人は猿だと言ったのでしょう)
金神(こんじん)とは方位神の一つで、丑寅の方向(北東)が最も鬼門にあたるため、本殿の北東方向に金神宮を祀っているようだ。
このように、方位神を祀る赤山禅院は「日本気学発祥の地」だそうで、石碑が境内に置かれていた。
これでは文化財を守るとは言えないでしょう…。 形だけ文化庁が京都に移転するより、実際に文化財を持っている神社仏閣に補助金を投入したほうが、遥かに有益。
鷺森神社
赤山禅院から、修学院離宮の前を通過して800m南南西にある鷺森神社へ。
修学院離宮の南端に流れる音羽川。ここから比叡山へ続く登山道は、きらら坂(雲母坂)と呼ばれている。ここからケーブルカーとロープウェーの乗り継ぎ駅がある中腹まで、歩いて約1時間半のコースタイム。今回は、平地の観光コースのため登山はパス。
修学院、山端の氏神社で、境内には縁結びの石がある。
スサノオノミコトが詠んだと言われる和歌が日本書紀に記されていて
意訳 : 雲が何重にも立ちのぼる出雲の国に、八重垣を巡らすように、雲が立ちのぼる。
妻を籠らすために、その八重垣を巡らしたように、朕は宮殿に何重もの垣を作った。
というところから、八重垣と名付けられたこの石は縁結びの石と言われているそうな
曼殊院
鷺森神社から東山の方へ、更に500mほど坂道を登っていく。標高差は約30m。 これが真夏だったら、途中で引き返していたかもしれない…
一乗寺付近でこの曼殊院より標高が高いところにあるのは、狸谷不動尊くらいか。曼殊院の拝観料は600円。
室内は一切撮影禁止だが、書院縁側の赤毛氈の上から庭園を撮影することだけは可能。
大書院、小書院ともに江戸時代の17世紀頃の建物で、重要文化財だそうだ。
一乗寺下り松
曼殊院を出て、坂道を一気に下り一乗寺下り松へ。
宮本武蔵が吉岡一門数十人と決闘を行った伝説が残る土地で、近江と京を結ぶ街道上にあった。この下り松の近くに有名な和菓子屋があり、名物の丁稚羊羹を購入。
あずき : 430円、栗入りあずき : 595円
国立近代美術館に寄り帰宅
京都大学横の百万遍交差点の松屋で昼食を食べ、国立近代美術館へ。 神社仏閣で中世の美術工芸品を見物した後に、近代美術を観て「中和」… 。 観覧料は大阪の国際美術館の年間パスを使ったので無料。
旧京都市電 1860号。中は案内所に魔改造されてしまっていて、もはや走ることはない…
■ 出町柳 15:09発 → 京橋のりかえ 15:56着 16:00発 → 中之島 16:11着 (京阪電車)