24 December 2014

IHクッキングヒーター用の新規配線

キッチンのガスコンロをビルトインIHクッキングヒーターに交換する予定のため、分電盤からコンロの所までの配線を新規に設置した

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分電盤 配線遮断器交換・配線接続

住宅用分電盤に取り付けられていた100V片切りの配線遮断器BS1112を除去し、200V両切り(2P2E)の配線遮断器BS2023に交換。

L1(黒線)とN(白線:中性線)の銅板に接続されていたものを、L1(黒線)とL2(赤線)の銅板に接続するように接点を変更し、単相200V化を行う。

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住宅用分電盤(工事前)

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住宅用分電盤(工事後)

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出力を100Vから200Vに切替

中央に中性極(白線)の銅板、上側の配線遮断器の下に隠れるようにしてL2極(赤線)の銅板、下側の配線遮断器の下にL1極(黒線)の銅板がある。配線遮断器に接続されている端子を、中性極からL2極に切り替えることで簡単に200V化できる。 (分電盤カバーのウラ面にも、そのように説明がされている)

配線

天井裏はVVF2.6×2Cと接地線(IV 1.6)の転がし配線。天井裏に人が入れるならレースウエイで綺麗に配線したいところですが...

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天井裏 (工事前)

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天井裏(工事後)

写真の奥が分電盤になり、手前に向かって送電されます。

天井裏から床下への経路は、雑排水管が納められているPS(パイプ・シャフト)を使います。ここから、システムキッチンまでは可撓電線管(PF管 16mm)で「保護」しています。今回同時に、電子レンジ用コンセントも新規設置しますので、配線は2本通されています。本来は、1m間隔で支持材を取り付けなければいけないところだが、真ん中付近の小さな点検口からやっと手が入るレベルなので、中間の支持材が取り付けられない状況...

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PS内 (工事前)

(この区間の排水管は、めくっていないので分からないが、おそらく鋳鉄管だろう。その保温がアルミガラスクロス)

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PS内 (工事後)

PS内を下りてきた電線は、システムキッチンの排水管を通すために設けられた「ふかし壁」の中を通りシステムキッチンの裏側まで到達します。もちろんここも電線管内を通線しています。

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ふかし壁内 (工事前)

(排水管の横に並んでいる細い管は、ガス管。排水管は耐火二層管です。防火区画と思われる上下階貫通部付近だけで良いはずなのに、延々とシステムキッチンの配水受け口まで二層管が使われています。まあ、VP配管後に断熱材を後施工するよりも手間がかからないので、こういう材料選定になっているのでしょう)

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ふかし壁内 (工事後)

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レンジ裏 (工事後)

レンジ裏で電線管が終了し、配線が姿を現します。

レンジ下スペースのコンセント設置

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レンジ下スペース (工事前)

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点検口の右上に、200V 30A のコンセントWK36301Wが取り付けられています。

今回、同時に電子レンジ用100Vコンセントも新規設置しました。

積算

品名数量単位単価金額
VVF 2.6×2C14m2593,626
VVF 1.6×3C11m1942,134
IV 1.614m51714
PE管 16mm10m97970
配線遮断器 200V 30A 2P2E, BS20231928928
コンセント 200V 30A, WK36301W11,9021,902
材料費 小計10,274
電工0.522,60011,300
諸経費等408,629
合計30,203

工事は半日以内で終わるので、電工0.5日分。配線は、雑材分も含みということで2割以上の余裕率を見ている。まあ、こんなものでしょう。

VVFケーブルの許容電流量

JCS 0168 (内線規定) より

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今回は、200V 30A のコンセント設置なので、VVF2.6×2C の許容電流量32Aで十分。IHクッキングヒーターの施工説明書にも単線2.6mm以上となっているため問題は無い。またIHクッキングヒーターは最大電力が5800W(5000/200 = 29A)のため、接続機器絡みても問題は無い。

電子レンジ用コンセントは、設置している電子レンジ(東芝 ER-KD7)の最大消費電力が1390W(1390/100 = 13.9A)のため、VVF1.6×3Cの15Aで特に問題は無い。

PF管選定表

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IV線を複数入れる場合の選定表で、今回はケーブルのため直接この表からは読み取れないが、通線さえできれば特に問題ないと考えられる。VVF 2.6×2C, VVF 1.6×3C は、どちらも16mmのPF管で問題無い。

※ 今回は、「電線管」としてではなく、単なる「ケーブル保護」の意味合いで電線管を使っている。

ご注意

電設工事は素人がDIYでやるべきものではなく、電気工事会社に頼むべきものです。電子回路製作用の工具ではなく、VA線のワイヤストリッパで被覆剥離し、電工ナイフでケーブル外装の剥離をする必要が有ります。素人がカッターナイフなどで代用できません。慣れた電工がカッターナイフで電線の鉛筆剥きをしていたりしますが、素人が真似してはいけません。芯線や被覆を傷つけたり、規定以下の半径で折り曲げを行ったりすると、電子回路製作の時と同じですが、発熱・断線の危険があります。安価に済ませたいなら、身近なペーパー電気工事士(工業高校の卒業生なら工事したことはなくても免許だけ持ってたりする)に頼んで適切な工具を使ってやってもらうなど、基本をひと通り知っている人に施工か監督をしてもらいましょう!