普段使っているテスターのプローブ付け根のビニル被覆が破れてきた。
代わりのプローブをAmazonで探してみると、最安値が600円。机から落っことしたり、部品が激突したりと手荒な使い方をするため、安価なテスターDT-830Bを使っている。1000円のネットワーク配線工具セットに、おまけで付いていたものだ。1000円以下のテスターの交換部品が600円とは、なんとなく割り切れない。
Amazonには、1000円前後の格安テスターが幾つか掲載されている。最も多かったのがDT-830B/DT-830Dで800円〜1000円程度。その次がXL830L/MAS830Lで1100円〜1400円程度のもの。
違うのを買ってみようということで、XL830L(1100円)を購入。
T-50BZは1989年4月に購入。アナログ式なので、電圧と電流は電池が切れていても測定可能。
M-6000Mは2012年12月に購入(4250円+送料500円)。コンピュータに接続する機能を持っている。
DT-830Bには2010年と書いてある交換電池が入っているので、少なくともそれ以前の購入だ。
格安テスター XL830L, DT-830B の基板を見てみる
XL830Lの方が「少しだけ高価」にもかかわらず、基板の実装作業はいい加減だ。まず、ヒューズが直付になっている。手作業でハンダ付けされたものは、コテ温度が高すぎてフラックスがプリント基板上に飛び散ってえらいことになっている。 それに、電源ケーブルのハンダ付けは、今にも取れそうな状態…。バックライトの配線に至っては、外装カバーに噛みこんでしまっていて、今にも断線しそうだ。
幾つかの抵抗を測定してみたところ、同じマイコンを使っていると思われるこの2台で、誤差が全く違った。基板のハンダ付けがなおざりなXL830Lはかなりのズレがある。0.5〜1%程ずれるかな…。安物なので仕方ないですね。
ちなみに、テストリード自体が2〜3Ω程度の抵抗を持っているので、10Ω以下の抵抗を測ると、かなりずれる。
この2台はICL7106/ICL7107というマイコンを利用しているので、機能はほぼ同じだ。データシートは http://www.intersil.com/data/fn/fn3082.pdf で見ることができる。
測定テスト
抵抗値
M-6000M | DT-830B | XL830L | |
---|---|---|---|
プローブ短絡 | 0.2 | 1.3 | 3〜15 不定 |
10 | 10.2 | 11.2 | 11.7 |
68 | 67.7 | 68.9 | 69.5 |
100 | 99.5 | 101.1 | 101.2 |
180 | 177.6 | 178.8 | 179.2 |
220 | 216.8 | 223 | 218 |
470 | 464 | 470 | 165 |
1.0k | 0.993 | 0.999 | 0.992 |
1.5k | 1.492 | 1.499 | 1.489 |
2.2k | 2.179 | 2.18 | 2.19 |
4.7k | 4.60 | 4.62 | 4.62 |
10k | 9.78 | 9.81 | 9.82 |
22k | 21.83 | 21.9 | 21.9 |
47k | 46.2 | 46.2 | 46.2 |
100k | 98.2 | 98.2 | 98.3 |
200k | 198.3 | 198.0 | 198.1 |
820k | 825 | 825 | 818 |
電圧値
M-6000M | DT-830B | XL830L | |
---|---|---|---|
AC 100V 商用電源 | 104.5 | 105.4 | 103.8 |
DC 5.0V | 5.062 | 5.09 | 5.07 |
DC 3.3V | 3.312 | 3.33 | 3.30 |
LED順方向電圧
M-6000M | DT-830B | XL830L | |
---|---|---|---|
赤外LED | 1.09 | 1.316 | 1.426 |
黄色LED | 1.74 | 測定不能 | 測定不能 |
トランジスタhFE
M-6000M | DT-830B | XL830L | |
---|---|---|---|
2SC1815 GR | 測定機能無 | 280 | 282 |
電池切れの場合
DT-830Bの電池が減っていたので、新しい電池に交換前後に計測してみた
電源電圧 | 10Ω計測 | プローブ短絡 Ω | |
---|---|---|---|
新品の電池 | 9.2V | 11.2 | 1.3 |
減った電池 | 8.8V | 14.3 | 4.3 |
電池が減ると、抵抗の測定値が増えるようだ…。
内部で安定化電源(レギュレータ)を使わず、電源をそのまま動作回路に突っ込んでいるらしい (笑
教訓 : 電池は電圧降下の少ないアルカリ電池で。 心配なら頻繁に交換 !