米国Amazonで購入した、Xperia M C1904は、UMTS Band Vに対応しているが、Band Vに内包されていると思われるBand VIのみに対応するように、Qualcommトランシーバ設定を変えてみる。
結論から先に書けば、この方法では書き換えは成功していないようだ。
情報源と仕様ツール類
Xperia Mの後継機(?)のXperia SPでのUMTS Band VI有効化の記事 『Xperia SP(C5303)をFOMAプラスエリアに対応させました』で使われているものと同じツールを用いる。
・Qualcomm QPST 2.7 build 402 : XDA Developersからダウンロード
・HTC Diag Drivers : XDA Developersからダウンロード
・mztool 1.2.1a : 本家sourceforgeが消されているのでここからダウンロード
・同上用ライブラリ wxmsw293u_gcc_custom.dll : ここからダウンロード
個人的に、上記4つをまとめた「バックアップファイル」をここに格納した。
QPSTのインストール
Android実機を接続しないで、管理者権限でパソコンにインストールしておく。
HTC Diag Driverのインストール
Xperia MのUSB接続モードを『USBデバッグ』に変更する。変更方法は、「設定」→「開発者向けオプション」→「USBデバッグ」をON。
Xperia Mに『(コンソール)端末アプリ』をインストールし、次のコマンドを実行する。(現在の値を確認したい場合は、getprop
コマンドを使えばよい。おそらく、値は0のはず)
$ su # setprop persist.usb.eng 1
その後、USBケーブルでパソコンに接続する。
Windowsコントロールパネルのデバイスマネジャーを開くと、認識されていないAndroidデバイスがいくつか見つかるはず。
今回の作業で必要なモデムデバイスは、このうちのどれかひとつ。適当にドライバを無理やりインストールしてみると、3回目で認識した。方法は…
まず、デバイスのプロパティを開き、VIDとPIDを調べる
その値をHTC Diag Driverのinfファイルに無理やり修正・追加して、ドライバをインストール
[Models]
%OEMDevice02% = OEMPort02, USB\VID_0FCE&PID_6146&MI_00
%OEMDevice02% = OEMPort02, USB\VID_0FCE&PID_0C08&MI_01
%OEMDevice02% = OEMPort02, USB\VID_0FCE&PID_0C09&MI_02
%OEMDevice02% = OEMPort02, USB\VID_0FCE&PID_0C88&MI_02
Qualcomm QPSTの「QPST Configuration」(インストール後にスタートメニューに登録されているはず)を実行して、Phoneが表示されるようになるまで、Androidデバイスに無理やりHTCモデムドライバをインストールしていく
QPST Config : Portsタブを選択して、Phoneが認識されたらOK
QPST RF NV Managerで設定データを読み出す
前述の作業を行ったQPST Configプログラムを起動したままで、次の作業を行う。
QPSTがインストールされたディレクトリのC:\Program Files\Qualcomm\QPST\bin\RF_NV_Manager.exe
を実行する
まず、「Setting」メニューでCOMポートを指定してから、「File」メニューで「Read From Phone」を実行する。10秒程度データの読み出しプログレスバーが表示された後に、次のような画面になる
1877行目(?)を選択し、設定値コピーしてをmztoolに貼り付ける。(Decimalに設定してから値を貼り付ける。下図の赤で囲んだところ)
値を貼り付けると、どの周波数に対応しているのか表示される。これらの周波数を、「Band Preference(NV Value)」に貼り付けると、下図のようになる。
正しく(対応周波数が過不足無く)設定されると、赤で囲ったところが、実機の設定値と同じになるはず。
ここで、Band Vを無効にし、Band VIを有効化する。(Xperia Mの設定画面には、周波数選択を行うところが無いため、どちらか1方だけの対応が望ましいと思ったため…)
赤で囲ったところの選択を反転している。
このときの設定値が画面下に表示されるので、これをQPST RF NV Managerの設定値テキストボックスに書き戻し、すぐ上にある「Write NV」ボタンを押し、「File」メニューの「Write Changed NV Items to Phone」を実行する。 (何のレスポンスも返ってこないが、特に問題ない)
QPST RF NV Managerを終了する。
Xperia Mの再起動と、設定値が書き換えられたことの確認
Xperia Mに『(コンソール)端末アプリ』がまだ実行中ならそのままで、そうでないなら su になってから
# reboot
リブート後、再度QPST RF NV Managerで設定値を読み出して、先ほど書き込んだ値となっているのか再確認する。
問題なければ、Xperia M上で『(コンソール)端末アプリ』を実行して
$ su # setprop persist.usb.eng 0
Xperia Mのメンテナンスモードで対応周波数の確認
ダイヤルパッド(電話)で、「*#*#7378423#*#*」 を入力し、情報を表示する
まったく書き換わっていない…
おそらく、Xperia Mではこの方法は通用していないようだ。