ベランダの蹴破り戸が、「蹴破り板」と「スライド昇降」の両方に対応したものが取り付けられている。非常階段側の蹴破り戸は外部からスライド昇降されれば、誰でも勝手にベランダに入って来れてしまう欠陥品だ。もちろん、確信犯が蹴破って侵入するのなら防ぎようはないのだが…
消防法上では、「蹴破り」が可能であれば非常通路の用途は果たせるので、「スライド昇降」を無効化して少しでもセキュリティをあげてみた。
■ 蹴破り戸全景と説明書
下半分の板が、「蹴破り」と「スライド昇降」に対応している。
ユーザーマニュアルは次のようなものだ
(三洋工業 上下式隔板 スライドゾーン)
■ スライド昇降をそしするため、止め具をビス止めしてみた
昇降板の右上(住戸側)に、高さ1㎝程度のプラスチック製板をビス止めして、昇降しようとしたら上側の板に引っかかって昇降できないようになる。
サッシ材(アルミ)なので、それより柔らかいプラスチック素材の阻止板を付けているので、上側の板を傷つけることはないはず。
■ 標準で付けられていたプラスチック鍵
昇降板の左下に、プラスチック板がボンド付されていて、昇降させればこの板が脱落するようになっている。この鍵は外側からでも簡単に取り外せるし、強い力で昇降させれば自動的に落ちるので、鍵の役割は何も果たしていない。
■ 警察庁 犯罪統計による住居侵入の可能性
「平成23年の犯罪情勢 - 警察庁」によれば、4階建て以上の共同住宅の“侵入窃盗の発生場所別の侵入口・侵入手段”は
表出入口 | 非常口 | その他出入口 | 窓 | その他 | 不明 |
---|---|---|---|---|---|
2643 | 7 | 77 | 2745 | 78 | 451 |
玄関という正面突破と、窓(ベランダ伝い?)という裏口突破がほぼ同数。玄関扉の鍵をダブルロックにしようが、サムターン回し防止カバーを付けようが、ベランダの蹴破り戸が“ほぼ無施錠”では何の意味もないじゃないですか !