■ 高雄の神護寺
今回は、9世紀初頭に建てられた高雄山(428m)の中腹にある神護寺を訪れた。神護寺は、もともとこの地にあった高雄山寺と、河内の国にあった神願寺が、9世紀初頭に合併して出来た寺院で、奈良時代の貴族和気清麻呂を祀っている。
四条烏丸から京都市バス8系統に乗車、紅葉や桜の季節では無いので、出発時に車内はガラガラ。四条大宮、西院とを経由して宇多野から周山街道沿いに梅ケ畑の峠を越えてゆく先にある。バス料金は梅ケ畑に差し掛かると一気に500円に上昇。京都市内なのに…。
終点の高雄で下車。バス停から40mほど下の清滝川まで石段を下り、高雄橋を渡る。
高雄橋を渡ると、神護寺に続く階段の登り口がある。
登り口の右側には石柱があり、下乗石と呼ばれ鎌倉時代のものだそうだ。階段の左側の道は、清滝へ続く東海自然歩道。
約300段(標高差80m程度)の階段を登る。途中に数軒の茶屋があるが、シーズンオフで閉鎖されているのかひっそりとしている。 階段沿いにはイロハモミジが茂っており、紅葉の季節はさぞ綺麗だろう。
17世紀に板倉勝重が再建したという楼門には、“拝観料は金堂にてお納めください。 ※拝観受付工事中のため” との札が掲げられている。 これほど客が少なくては、受付に人を待機させる人件費も稼げないので、工事中という事にしているのかもしれない。
楼門の右側には書院の門が開いていて、毎年5月の連休の時には国宝の源頼朝像や高雄曼荼羅などを公開するそうだが、今回は時期が合わず見ることはできない。
楼門を入ると、誰も居ない境内が広がっている。右手に書院と和気清麻呂霊廟が見える。
墓所は金堂の裏手から高雄山方向へ登ったところにあるらしい。
和気公霊廟の裏手に、鐘楼。こちらも江戸時代初期の17世紀に再建されたものだ。内部には国宝の梵鐘(9世紀の作)があるそうだが、建物には窓もなく中をうかがい知ることはできない。
鐘楼から斜面に造られた近道を通ると、金堂のすぐ横に出る。そこに、不動明王像。
金堂を見上げると、破風の鬼瓦と懸魚(げぎょ)が間近に見える。
500円払って金堂に入場。拝観者が少ない季節だからなのか、今日は結界の内側(内陣)に入って見物できるそうだ。金堂の正面奥には、薬師如来立像。入り口付近には源頼朝像や高雄曼荼羅の複製が置かれている。
20世紀に再建された多宝塔の中には、国宝の五大虚空蔵菩薩像が安置されているらしい。これも、5月の連休の虫干しの日に開帳してくれるのだろうか。
種子が真っ赤になって綺麗だ。後ろに見える建物は五大堂と毘沙門天堂。
五大堂は鐘楼と同じく昭和初期に再建されたもの。
神護寺境内の建物で唯一 重要文化財。空海が起居したと言われる納涼坊を17世紀前半に細川忠興が寄進した建物で、住宅風の建物。
■ 嵐山の法輪寺
帰りの電車が阪急嵐山からなので、列車を待つ15分の間、法輪寺を訪れた。
法輪寺 参道の階段
神護寺ほどでは無いですが、結構長い階段です。途中に、電電宮という鎮守社がある。
社伝によれば、“電電宮には電電明神が奉祀されており、古来電電陰陽融合光源の徳を祖とした鎮守社”とのこと。
法輪寺の入口には、電電塔なるものもある。
左側に電磁気学者ハインリヒ・ヘルツ、右側にトーマス・エジソンのレリーフが埋め込まれている。
本殿手前の狛犬がある位置には、狛虎(右側)と狛牛(左側)がある。
法輪寺 本堂と賓頭盧(びんづる)像