13 May 2011

大阪府咲洲庁舎(旧WTCビル)の保有費用が10億円さらに増えました

この間の東日本大地震の長周期振動で被害が出た大阪府咲洲庁舎(旧WTCビル)。報道によれば、さらに耐震補強をしないといけないそうで、10億円余分に掛かるということだ。

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大阪府咲洲庁舎 (旧WTC)

【日経】大阪府、咲洲庁舎の耐震事業費33億円に

 改修工事は揺れを食い止める補強材の増設や、津波による浸水に備え、非常用発電機を地上3階に移すことなどが柱。

 府はもともと、東南海、南海地震による長周期地震動に備え、高さ256メートルの同庁舎を約23億円かけて耐震強化する予定だったが、震災被害の大きさを踏まえ、工事費を約10億円上積みした。

 震災で同庁舎は壁や天井、防火戸など計360カ所が損傷。エレベーター計4基も停止、5人が約5時間閉じ込められた。

http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819A91E3E1E2E0E68DE3E1E2E7E0E2E3E39391EAE2E2E2

大阪府庁の資料「平成22年度当初予算(部長復活要求) WTCビル購入費」によれば、WTCビルの購入価格は85億円。 これに、光熱電力費に7.7億円とビル管理費に5億円が毎年掛かってくる(読売新聞記事より)。 また、今後35年間の補修費・改修費の合計予想額が220億円。

さらに驚くべきことは、読売新聞の記事の地震時の液状化に関する部分を…

 大阪府庁舎の移転先として浮上している大阪市の第3セクタービル「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC、住之江区)について、今後必要なビルの大規模改修費が2009年度以降の15年間で総額約80億円にのぼり、維持費も年間約12億円かかることがわかった。府庁舎仕様に内部を改造する経費などは含まれておらず、9月府議会では移転に伴う費用対効果などが論議となりそうだ。

 移転の是非を判断するため府が情報提供を求め、市が回答書をまとめた。WTCは1995年に完成しており、水道配管更新などの大規模改修に必要な費用について2023年度までの15年間で総額計約80億円、35年間で同計220億円と試算。光熱水費はビル全体で年間約7億7300万円、警備や設備の定期点検などの維持管理費は同4億9600万円としている。

 地盤の液状化など地震の影響については、回答書は「ほとんどなく、大手前(現庁舎)と同レベル」と指摘。ビルの買い取り価格に関しては、「府の検討に協力する」とした。

http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/h_osaka/ho80828c.htm

しばらくして、液状化対策工事に100億円とか、金額がどんどん膨らんでくるでしょうな。 まるで、福島第一原子力発電所の処理解体費用が無限大まで膨らんでいくのと同じイメージか…


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咲洲庁舎高層階のトイレ

大阪市内中心部方向がみえています。普通の高層オフィスビルでは、この位置にあるのは休憩室(リフレッシュルーム)。 自販機とか、コーヒーメーカーとか置いてありますよね。でも、大阪市役所が建てたこのビルでは、景色の良いところは「トイレ」ばかりなんですよ。外観のデザインだけでなく、内部の使い勝手もやっぱり設計が変ですな。