06 March 2011

(Ubuntu 10.04) iPadを接続して、使える範囲

第一世代 iPad (iOS 4.2.1) を Ubuntu 10.04 (Linux) に接続して使える機能はどれくらいあるのか…。 Linux側のソフトウエアの進化と、Apple社から繰り出される機能制限というパッチの均衡点のメモ

結論とすれば、2011年3月上旬現在、「UbuntuとiPadを直接同期する術はない」。

■ 検証環境 (iPad)
・ iPad 1.1 (16GB Wifiモデル)
・ iPhone OS 4.2.1
■ 検証環境 (Linux)
・ Ubuntu 10.04
・ ライブラリのバージョンは
libimobiledevice 1.0.4 と 0.9.7 の双方がインストール済
libipoddevice 0.5.3
ifuse 1.1.1
gvfs 1.6.2
gvfs-fuse 1.6.2
 libusbmuxd 1.0.6
libplist1 1.3
libgpod4, libgpod-common 0.8.0


■ 新しいlibimobiledevice関連ライブラリのインストール

PPA for Paul McEnery (launchpad.net) をリポジトリに入れて、 apt-get または Synaptic パッケージ・マネージャで一括インストール出来る。

libimobiledevice の公式ページから個別ライブラリをダウンロードして、コンパイルしてインストールすることも可能。

/etc/apt/sources.list に追加

deb http://ppa.launchpad.net/pmcenery/ppa/ubuntu lucid main
deb-src http://ppa.launchpad.net/pmcenery/ppa/ubuntu lucid main

 

# apt-get update
# apt-get upgrade
# apt-get install libimobiledevice1, gvfs, ifuse, libgpod4, libgpod-common, libplist1, usbmuxd

なお、このコマンドの実行時に、インストール済みのlibgvfscommonが削除される。(gvfsと重複するため)

■ iPadをUSBケーブルで接続すると

20110306-ipad-icon.jpg
自動的にマウントされ、画面上にアイコンが表示される

さらに、(設定にも夜が)自動的にファイル・ブラウザ(nautilus)が開いて、ファイル一覧が閲覧できる

20110306-ipad-nautilus.jpg
ファイル・ブラウザで開かれたiPad


■ ファイル・ブラウザで、直接ファイルをコピーしてみる

パソコン側からiPadへファイルをコピーしてみる。

・写真(jpeg) : /photos/Thumbs ディレクトリの下に iTunes で同期したjpegファイルが格納されているが、別途データベースで整理された状態で、ココに何かコピーしてもすぐに削除され、新規の写真としては反映されない。 また、/DCIM/100APPLE ディレクトリにiPadアプリから画像保存した画像データ(jpegやpng)が保存されているが、ここに新たに追加しても自動的に削除されてしまう。

・音楽(mp3) : /iTunes_Control/Music ディレクトリの下にiTunesで同期したmp3ファイルが格納されているが、別途データベースで管理されている状態。写真の場合と同じく、ココに何かコピーしてもiPad上に反映することは出来ない。


■ Rhythmbox

20110306-ipad-rhythmbox.jpg
iPadデバイスを認識したRhythmbox

iPad内の音楽(mp3)を再生することは可能(パソコンのスピーカーから音が流れる)。
パソコン側の音楽(mp3)ファイルを、iPadデバイスにコピーしても、無視される。

iPodやiPhoneではコピー可能な場合もあるので、Linux側のライブラリが iOS4.2.1に対応するのを待つしか無いか…

■ gtkpad

自動的にiPadを認識してくれないので、「編集」メニューの「Repository/iPod Options」で、iPadをマウントしているディレクトリ(マウントポイント)を追加してやる必要がある。

20110306-ipad-gtkpod-repo.jpg
リポジトリ追加の画面

リポジトリには、/home/ユーザ名/.gvfs/○○のiPad というようなマウントポイントを指定してやれば良い。 リポジトリを指定したら、ツールバーの「iPodから読み込み」牡丹を押すとプレイリストが読み込まれる。


20110306-ipad-gtkpod.jpg
iPadを認識したgtkpod

ファイル・ブラウザ(nautilus)からgtkpodへドラッグ・アンド・ドロップでファイルをコピーして、ツールバーの「変更を保存」を押す。iPodなど他の機種ではうまく行くのだが…

20110306-ipad-gtkpod-err.jpg
「変更を保存」するときのエラー表示

警告 The following has occurred: ”Unsupported checksum type" という表示が出て、iPadにはファイルはコピーされない(正しく反映されない)。


■ 苦肉の策 : Files HD を使う

Files HDのWebDAVサーバ機能を使って、直接ファイルをコピーすると、Files HD内で閲覧・再生できる。

20110306-fileshd-webdav.jpg
Files HDでは、ファイルメニューの左下(オレンジの矢印で示したところ)の丸いボタンを押して、「サーバ起動」を行なって、もう一度この丸いボタンを押してみるとWebDAVサーバのアドレスとポート番号が表示される。 (DHCPからリースされたipアドレスと、8080ポートだが…)

画像ファイルは、iPadの写真(ディレクトリ)にコピーすることも出来る。(具体的には、Files HDで画像を開いて、「フォトアルバムに保存」を実行すると、/DCIM/100Apple/ に IMG_0123.jpg のような形式でコピーされる。)


■ 参考資料
やっぱりUbuntu 10.04では、iPhone/iPod Touchが、標準で利用できるようになる?
レポート: iPadとUbuntuを接続してみた。
Ubuntu 10.4でiPod touchのファイルを直接操作できるのか(iPhoneやiPadも?)
UbuntuでiPhoneアプリの整理ができるSBManager
Ubuntu Forums : [ubuntu] ipod touch 3rd gen won't mount in ubuntu 10.04
Ubuntu Forums : How to install ideviceinstaller