現在の 9.8 t/人 から 55%も削減して、4.42 t/人にするには、生活水準を大幅に切り下げる必要がありますよ。 切り下げるのは、自動車や携帯電話といった余暇類全てや、空調などの我慢すれば何とかなる生活水準の切り捨てですね。
私は自動車は持ってませんし、断熱性の高い住宅に住んでるので空調をほとんど使わなくても何とかなりますけど、さて、一般の浪費グセのある日本人がどう思うか。 そういう、浪費の部分の内需産業も壊滅するでしょうし。
Wikipediaの資料
・ 国別の1人あたり温室効果ガス排出量
・ 国別の温室効果ガス排出量
また、民主党政治屋のスタンドプレーですか w
中国の1人あたり排出量を意識したのか、見事な数値設定。 これだけの削減幅を達成するためには、一般人は自家用車廃止、家庭のクーラーも廃止ですね。
温室効果ガスの削減問題で、菅直人首相が昨年末に提案した「1人当たり排出量」の基準設定に異論が噴き出している。1人当たりの排出量基準は人口の多い中国やインドなどに有利な仕組みで、国際交渉の焦点の一つである新興国の排出量削減につながらないほか、新興国が排出量削減に取り組まない口実に使われる可能性があるからだ。ただ、現在の総排出量を基準とした削減目標には各国の人口規模を反映できない問題があることも事実で、新しい基準の必要性を指摘する声も出ている。
◆唐突な宣言
「1人当たりの排出量をどのぐらいにするのかを世界的な基準にできないかと考えている」
菅首相は先月28日の地球温暖化問題に関する閣僚委員会後、温室効果ガス削減の基準変更を目指す意向を明かした。
1人当たり排出量は、各国の温室効果ガス排出量を人口で割ったもの。人口が多い国の総排出量は削減努力にかかわらず大きくなるという問題を解消するため、新興国が導入を求めることが多い。2050年までといった長期の排出量を予測する際の基準に用いられることもある。
一方、先月にメキシコのカンクンで開かれた気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)など短期的な温室効果ガス削減を目指す現状の国際交渉は、総排出量をベースに進んでいる。政府が掲げる「2020年までに排出量を1990年比で25%削減する」という目標も総排出量に基づいたものだ。
にもかかわらず、菅首相が1人当たり基準を打ち出した理由について政府関係者は「首相は1人当たり基準の方が公平で分かりやすいと考えているのではないか」と推測する。
◆逆手に取られる?
1人当たり基準だと新興国の温室効果ガス排出量を削減できない懸念がある。
中国などの新興国はこれまでの国際交渉で、「先進国が過去に温室効果ガスを排出して経済発展してきたのであれば、新興国にも排出する権利がある」と主張。これに対して先進国は、中国の排出量が全世界の22%を占めている事実に基づき、「新興国も排出量削減に取り組むべきだ」との立場だ。
しかし、1人当たり基準に基づけば、中国の排出量は4.5トン。日本の9.6トン、米国の19.2トンを大きく下回る水準で、先進国の主張は論拠が揺らぐ。1人当たり基準が採用されれば、「中国は絶対に温室効果ガス削減目標の設置を受け入れなくなり、地球全体の排出量を削減する大目標の達成が遠のく」(政府関係者)可能性が高い。
この基準が、新興国に逆手に取られる危険性もある。ある政府関係者は「日本が1人当たり基準の正当性を認めてしまえば、新興国に付け入るすきを与える。不用意な発言だったのではないか」と指摘する。
ただ、現在の総排出量に基づく目標設定に課題があることも事実だ。
まず、新興国が主張するように、総排出量基準は人口の大きさを考慮していない。世界人口の約2割を占める中国の総排出量と日本の総排出量を同列に論じることはできないといえる。
また総排出量基準には、製品の製造段階で排出される温室効果ガスと消費地の関係が反映されない。例えば、日本国内で鋼板を製造した際に排出される温室効果ガスは、その鋼板が中国に輸出されても日本の排出量としてカウントされる。このため「中国の鋼板需要に応えるためによる排出量が日本の責任として問われるのは不公平」(専門家)との声も根強い。
21世紀経済研究所の澤昭裕研究主幹は温室効果ガス排出量の基準について、「家庭部門から排出される温室効果ガスのみを削減目標の対象にすれば、製造地と消費地のギャップの問題は解消できる」と指摘する。例えば、自動車の製造段階での排出量は対象外だが、自動車走行による排出量は対象になるといった具合だ。そのうえで「1家庭当たり排出量といった基準を導入すべきだ」と話している。
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/110110/cpd1101100502004-n1.htm