14 May 2010

市議会補欠選挙での土建インフラの”地方分権”の本音を思う

大阪市議会の補欠選挙があるそうです。 マスゴミによれば、”地方分権”を掲げて”改革”を行うという『大阪維新の会』(通称 橋下党)が候補者を掲げて、”大阪市をぶっ潰して、併合する”と宣言しているそうである…

知事の記者会見では、「大阪市に関しては、大阪市で上がる税金は大阪市だけで使うんじゃなくて、もうちょっと財政調整を働かせながら、大阪の周辺都市部を強くする」(4月21日と言っており、記者が「大阪市内で上がる地方税に関しては、それは大阪周辺のために使うべきである」のかと再確認しているくらいです。

朝日新聞によれば、知事は「大都市の税収は衛星都市から働きに来ている人が支えている。市の税収は市だけのものではない」と発言し、「指揮官(広域行政の責任者)が1人になったら(府市の懸案の)淀川左岸線の道路延伸はすぐやるのか。3千億円ですよ」と問う市長に、「やりますよ」と知事は叫んだそうである。

また、次の記事記事では、事業費は共に3千億円規模。5兆円の借金を抱え、「将来世代に負担を先送りしない」と歳出削減を進めてきた橋下知事。だが、「将来世代のために必要な社会インフラなら、借金を負わせても作るべきだ」と主張する。 このインフラというのは、自動車専用道路「淀川左岸線延伸部」やJR新大阪駅と難波駅などをつなぐ延長10キロの新線「なにわ筋線」建設、関空へのリニア新幹線や、関空への更なる投資、大阪市の港湾部「咲洲(さきしま)」地区の大規模開発ということです。

言っていることが、土建インフラ開発ばかりですね… 大阪府は借金だらけで金が捻出できないので、別のところから奪取しようという権力闘争その物ではないですかね。

土建インフラで本当に経済発展できるのか、土建インフラが今後の成長産業に必要とされているのかという検証は全くされている様子もありません。

別の記者会見では、「阿倍野再開発の借金が2,000億あったりとか、WTCも損失補償が400億残っていたりとか、あと土地信託、オーク2000もやっぱり600億円、700億円近い借金」と、すでに行われた(行われている)大阪市による土建開発が借金まみれであることを認めているというのに…

私は、このちきりんさんのホームページに書かれているように、(旧来型の)インフラ投資とは、ダムを造り、高速道路を作り、港湾や鉄道を造る、ということであり、「インフラ投資=土建業」だったのです。そしてそのインフラの上に工場を建てるということで、脱工業化の段階の日本では、「経済成長モデルが変わり、必要なインフラが変わりつつある」という風に思います。

大阪市会議員川嶋氏がホームページで述べるように、「府民のために市民が犠牲になるということは、起きないのだろうか」というように、単なる土建インフラ利権を分捕るための権力闘争じゃないかと思う今日この頃です。