「160億円をつぎ込んでどうなるのか。傷口にバンソウコウを張るぐらいではないか」――。仕分け人が、約1.1兆円もの有利子負債を抱える関西国際空港の延命措置に「待った」だ。
16日、行政刷新会議の事業仕分けで「凍結」となった、関空への巨額補給金。自民党政権が有利子負債の軽減と称して、03年度から毎年90億円をジャブジャブ投じてきた“生命維持マネー”である。
10年度の概算要求で所管の国交省は関空の収支悪化などを理由に、イケシャアシャアと予算の大幅アップ(160億円)を要求したが、仕分け人の判断は「ノー」。「伊丹や神戸両空港とのあり方を抜本的に解決する必要がある」と、凍結を求めた。
「67億円の赤字となった関空の08年度連結決算でも、年間227億円の支払い利息に対し、原資となる営業キャッシュフローは336億円に過ぎません。さらにリーマン・ショック以降の国際的な航空需要減退が追い打ちとなり、今年度の発着回数は10.6万回と、滑走路が1本少なかった開港当初を下回る見込みです。補給金で赤字を補填しても、いずれ空港運営そのものが破綻しかねません」(航空行政事情通)
巨額の有利子負債が世界一高い国際線着陸料に転嫁され、ますます航空需要は減退する……。“お荷物空港”に血税をいくら注いでも、カゴで水をくむようなもの。そこで密かに政府内で話し合われているのが、関空の軍事転用プランだ。
「荒唐無稽な話に聞こえますが、過去には岩国空港が軍事転用された例があります。国交省航空局の官僚は『現実的だ』とマジメに主張していました」と明かすのは、近著「血税空港」で航空行政のデタラメをあぶり出した、ジャーナリストの森功氏だ。
「例えば、民主党政権内で四苦八苦している普天間基地を移設させる。浮島である関空に基地を持ってくれば、騒音問題や沖縄住民の負担は一気に解決します。何より、辺野古移設に伴う莫大な滑走路建設費用が浮く。その分を関空の負債返済に回してもいい。日米間の軍事空域の問題は残りますが、一石二鳥どころか、三、四鳥の成果を生むプランです」
与党の一角を占める国民新党の下地幹郎衆院議員(沖縄1区)も、今月2日の予算委で関空の軍民共用プランを披露。「安全保障の負担は、国民全体で分かち合うべきだ」とブッていた。
関空から米軍機が飛び、キタの歓楽街を米兵が練り歩く日が来るのは、そう遠くないのかもしれない。
http://news.livedoor.com/article/detail/4461022/
地域の経済力や需要に比べて過剰なインフラを作りすぎて、政治屋や役人への責任追及をかわす建前上、潰すにつぶせないインフラが多い。その筆頭が、関西空港。 居住地への騒音公害だけを目的に、大阪からはるかに遠い田舎に作ってしまった空港。 誰もが思っていたように、これは民間機に比べて圧倒的に騒音が大きい軍用機にぴったり。 離着陸時の航空機からの落下物も、海上であればまったく問題なし。
政治屋の都合を無視して、需要の面からだけ考えれば。
嘉手納(空軍)・普天間(海兵隊)の訓練用飛行場 → 関西飛行場 第1滑走路・第2滑走路
神戸空港を廃止(米軍移管)
横田飛行場を廃止(日本返還) → 神戸飛行場
岩国飛行場 → 神戸飛行場
羽田空港(国内線) → 横田空港(民間空港化)
成田空港を廃止 → 羽田空港
でもって、今まで支払ってきた米軍基地への地方補助金を関西に与えて、それで「大阪と東京を結ぶリニア新幹線」の建設費用に充当する。
新大阪駅から品川駅まで、マグレブ駆動の列車なら所要時間は1時間程度。 現在の大阪駅から関西空港が1時間程度なので、ほぼ同等。 つまり、関西から海外へ行くには羽田国際空港を使ってくださいという理論が成り立つ。 羽田発着便の利用率が高まり、運がよければ仁川空港などから東アジアのハブ空港の地位を奪い返せるかも。
大阪の知事が表明しているように、大阪を風俗街にしたいという夢は、米国空軍、海兵隊の軍人さんというお得意様を導入して初めて、「需要と供給」が成り立つ。 この知事はどこまで先を読んでるんだという、先見の目を感じる。 ついでに、カジノ特区ではなく、軍需産業特区を作れば、もうひとつの巨大経済といわれる軍需産業を取り込めるのではないか。
大阪府の橋下徹知事は29日、大阪市内で企業経営者ら約750人を前に講演し、関
西の活性化には都市ごとの役割分担が必要との考えを示したうえで、大阪について「こ
んな猥雑(わいざつ)な街、いやらしい街はない。ここにカジノを持ってきてどんどんバ
クチ打ちを集めたらいい。風俗街やホテル街、全部引き受ける」と述べた。
橋下知事は京都と奈良を「世界に誇れる観光の街」、神戸を「日本を代表するファッ
ションの街」と位置づけ、「大阪はエンターテインメントの街でいいじゃないですか。
都市で役割分担して、上がってきた税収を分ければいい」と語った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091029-00001218-yom-pol
かつて、明治時代から第二次世界大戦までの間、大阪が唯一繁栄した時代は、現在の大阪城公園の位置にあったアジア最大の「大阪砲兵工廠」という最先端の軍需工場と、そこからスピンオフした先端軍需技術がひとつのバックボーンになっていた(という考えもある)。 日本で始めて鋳鉄管を開発した工廠の分工場が払い下げられて、久保田鉄鋼(現 クボタ)が大儲けしたことなど、枚挙に暇がない。 「民間の力で…」と勝手な妄想をしている大阪人も多いが、江戸時代は幕府の許可事業の流通業で、第二次大戦前は帝国陸軍の工廠からのスピンオフ技術で栄えたに過ぎない(かもしれない)。
経済は首都圏、観光は京都・奈良、極東最大の軍事都市大阪。 そういう解決策があってもいいと思う。