23 August 2009

衆院選挙2009 「公共事業偏重に賛成か 反対か」

麻生首相が国民に訴えかけている。『この選挙は政策選択選挙だ!』

ひとつの切り口として、「公共事業偏重に賛成か 反対か」ということに対して、自民・民主の有権者に明確な違いが見られるようだ。

《朝日・東大調査》予算増に積極的、自も民も医療重視

 自分で国の予算を編成できるなら、各候補はどの分野を増やし、どこを減らすのか。総選挙の候補者を対象にした朝日新聞社と東京大学・谷口将紀研究室の共同調査で、多くの候補者が予算の増額に積極的な一方、削減には消極的である様子が浮かんだ。自民、民主両党の候補も、多くの分野で予算増をめざす姿勢は共通。異なるのは公共事業費と防衛費への対応だった。

 (1)公共事業(2)雇用・経済対策(3)医療・福祉(4)教育・文化(5)科学技術(6)環境(7)防衛(8)国際協力(9)農業・食糧の9分野の中で、予算を「増やしたほうがよい」「減らしたほうがよい」と思うものをすべて選んでもらった。

 増やしたほうがよい分野としては、自民候補の90%、民主候補の96%が医療・福祉を選んだ。両党とも2番目に多かったのは教育・文化。3番目は雇用・経済対策。暮らしに密着した分野を中心に予算を増やそうという姿勢は、自民も、無駄遣いをなくして財源を生み出すとしている民主も変わりはない。

 減らしたほうがよいという意見が多かったのは、自民候補は国際協力(21%)、公共事業(17%)、防衛(7%)の順。ただこの3分野でも8~9割は削減を求めず、削減分野をひとつも選ばなかった候補が64%に及んだ。予算削減に消極的な姿勢は鮮明だ。

 民主候補は72%が公共事業を選び、防衛(29%)、国際協力(19%)が続いた。公共事業と防衛で削減に前向きなのが、自民との違いといえそうだ。

 公共事業減額を求める声は民主のほか、みんな(92%)、共産(91%)、社民(76%)で強かった。防衛の削減論が強いのは共産(100%)、社民(同)、公明(51%)。国民は40%が国際協力の減額を唱えた。

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http://www.asahi.com/politics/update/0823/TKY200908220266.html?ref=rss

日本が高度成長期と呼ばれていた当時は、まだ公共インフラも完全ではなかったため、その整備が経済的合理性もあり、国民の福祉にもつながっていたんだろう。(私の生まれる前の話だが)

最近はどうなんだろうか。公共事業は経済の乗数効果(波及効果)がほとんど無く、過剰な施設の運営管理(当然赤字)は将来にツケを残してるのではなかろうか。


所得税や法人税だけでなく、上下水道などの公共料金の請求書には、なぜそれらの施設の拡充が必要なのか、運営にあたって豪華すぎる庁舎建設や、余剰人員・業務がどれくらいあるのかというデータが示されていない。 国が県に突きつけている直轄事業負担金の請求書だけでなく、市役所や一般国民に対するあらゆる請求書が明細書の無い『ぼったくりバー』の請求書だから、政権党や霞ヶ関は信頼性を失ったのではないだろうかと思う。

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たとえば、過剰な公共インフラを建設して、役人による放漫経営するとどうなるかは 東洋経済の『下水道が抱える巨額の借金、和歌山市では住民サービス低下の元凶に《特集・自治体荒廃》』に詳しく述べられている。

また、ダムや堤防の整備でも言えることだが、『人命を助けるための防災』なら誰も反対しないということで、費用対効果も考えずにやりたい放題である。

次のグラフをごらんいただきたい。

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自然災害の死者180人に対して、たとえば、インフルエンザの死者865人。 土建防災に毎年何千億円もばら撒いておいて、ワクチンは民間工場で自主採算でやってくださいってのは、統計比率からみても公平じゃないですよね。 (土建以外の”防災”が見捨てられているのは、J-CAST『新型インフル用「ワクチン」 いざという時に足りなくなる?』を見てもよく分かる。)

自殺3万人や交通事故9000人など、同じ予算を投入するなら、なぜ土建防災に過剰投入するのが合理性があるのか、きっちりとした説明が無いならば、それは『ぼったくりバー』の請求書に相違ないでしょう。

また、経済対策のために行われた補正予算で、なし崩し的に新規の道路工事が行われている。一方で、新型インフルエンザワクチンが足りないと確実に分かっているにもかかわらず、ワクチン製造は民間に任せたっきり…  平成22年度の概算要求でもたった207億円。  人の命より、土建、土建…

国土交通省 平成21年度道路関係補正予 算配分概要

東京外かく環状高速道路  1兆2820億円
東関東自動車道 水戸線  710億円
名古屋環状高速2号線  1350億円
日本海沿岸東北自動車道  310億円
一般国道490号線(山口)  141億円
地方道飯田富山佐久間線(長野)  3億円
一般国道220号線(宮崎)  6億円
一般国道190号線(徳島)  13億円
関越自動車道上越線  465億円
東関東自動車道館山線  255億円
東北自動車道  805億円
近畿自動車道紀勢線  745億円
四国横断自動車道  610億円
九州横断自動車道長崎大分線  375億円

www.mlit.go.jp/common/000041245.pdf

こんな記事も過去に書きました。
衆院選挙2009 「政権交代 賛成か 反対か」
自民党と民主党のマニフェストから推測する社会の姿

参考資料
人口動態統計 年報 主要統計表 (最新データ、年次推移)
生命保険文化センター 交通事故で約5,200人、火災で約2,000人、自然災害で約50人が死亡