16 August 2008

土建利権国家 その2

景気減速で土建経済対策をやりたくて仕方が無い、政官業の方たち。無駄な道路に象徴される「道路利権」だけでなく、非効率やり放題の「水利権」はマスゴミすら報道しない…

その1: 土砂崩れ・水害? 自業自得だろ w

土砂崩れや水害になりやすい土地は、何百年もの昔から伝承なり村の掟なりで、「この土地に家を建てたらたたりが出る」とかいうような怖い話などで伝わってきているはず。 ただ、科学技術の進んだ現代でこんないい加減な話だけで不動産投資の判断をするわけにはいかない。
それに代わって、役所から「ハザードマップ」なるものが公表されている。あるいは、地元の役所に行けば特定の土地に過去○○年間に災害が起こったかどうかは教えてくれる。

日本の食料安保のため、糞田舎の危険地帯にどうしても住まないといけないという場合を除いて、もはや防災なんて自己責任の分野。 土砂崩れや洪水の起こるところに、平然と「新築住宅」を建てて住んでいる人間に、防災は税金でやれといわれる筋合いは無い。

で、最近こんな痛快なニュースがあった

【関西テレビ】 堺市 誤って水門閉じて・・・住宅浸水

 堺市は今月5日の局地的な大雨で、閉じるべきでは無かった水門を間違って閉じたために、住宅などへの浸水被害が起きていたことを明らかにしました。
 「今回は大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」と頭を下げた下水道部の職員たち。堺市は8日、会見を開き下水ポンプを管理する業者の人為的ミスで浸水被害をもたらしたことを明らかにしました。

 5日の夕方から夜にかけて、近畿地方を局地的に襲った大雨。堺市では午後8時から1時間で51ミリを観測し、堺区で床上浸水が14件、床下浸水が76件の被害がありました。雨の当日、浸水した飲食店の人は「ジャジャ降りでした。一気に突然(水が)ブワーッと来た。」と話していました。

 堺市では雨などで大和川の水位が6メートルを超えた場合、川から排水路に水が逆流するのを防ぐため水門を閉じる決まりがあります。5日の雨で大和川の水位は、4メートルほどまで上がりましたが、管理業者が水位計を見間違えて6メートルを超えたと市に報告、水門を閉じたため行き場をなくした水が
マンホールから溢れました。

 8日にミスが明らかになり、被害にあった人たちは「何かおかしいと思ったここだけが急に溢れたんで」「閉め忘れた開け忘れたいうて、すいませんいわれても通らん」と、怒りともあきれたとも取れる表情で話していました。堺市は被害を受けた人に謝罪するともに補償や再発防止策を検討するとしています。
http://www.ktv.co.jp/news/date/main.html#0291726

つまり、少々の夕立程度で浸水する低地に建物を建てているにもかかわらず、高床式にすらしないゴネ得住民としか思えないのですけど…

人為的に土砂崩れや洪水が起こせるのであれば、どんどん起こせと思ってしまうのはまずいのでしょうか。 土建国家が防災対策と称して大量の税金を投入し続けるなら、予知可能な場所に災害が起こるのを今後も願わざるを得ません。 (住民が、自主的に安全な土地に居住地を移転させるまで)

その2:オーバークオリティの上下水道

沈殿・ろ過だけでは「かび臭い」という理由だけでなく、水質基準の法律の水準をどんどん上げて、マッチポンプ的に投資し続けている水道事業。でも、殆どの国民は生水なんて飲まないので、オーバークオリティなんですよね。

【読売新聞】 多い?少ない?水道水「そのまま飲む」4割弱…内閣府調査

 内閣府は9日、「水に関する世論調査」の結果を発表した。普段の飲み水について複数回答で尋ねたところ、水道水を「そのまま飲んでいる」と答えた人は37・5%で、4割に満たなかった。

 一方で、「浄水器を設置」(32・0%)、「一度沸騰させて」(27・7%)と工夫したり、「ミネラルウオーターなどを購入」(29・6%)と水道水以外を飲んでいる人が目立った。

 水道水の質については、「このままでよい」が72・4%と大半を占め、「現状より水道料金の負担が増えても、質を高くすべきだ」は21・3%だった。

 また、地球温暖化による身近な水問題(複数回答)として、「気候の不安定化による洪水や土砂災害の頻発」を挙げた人が68・2%と最も多かった。

 調査は6月12日~22日、全国の成人男女3000人を対象に実施し、1839人から回答を得た(回収率61・3%)。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20080809-OYT1T00509.htm

利権側の大本営が調査してさえ、生水を飲む人がこれほどまでに少ないとは、水道利権維持も大変ですな w
(調査結果のパーセントを合計すると100を超えるので、複数回答アリということで、その条件でさえ生水を飲んだことあるのは37%)

少数派のために、「オゾン接触酸化法+活性炭吸着法」というべらぼうに高い浄水処理をするよりも、少数派に自宅浄水器の設置を義務付けるほうが良いんじゃないですかね。 少々においが臭いからと言って、消毒されてるわけなので健康を害するということは無いわけだし、政府の仕事は必要最小限でというならそうすべきでしょう。

ちなみに、「とある大手ビールメーカー」の工場では、水道水は高いから(沈澱処理だけした)工業用水を購入して、自社で浄水処理しているそうです。 理由は、そのほうが遥かに安いから。

同じようなことが、下水道でも。 これも、工場の経営者から話を聞いたことがあるが、1日に1000m^3程度の排水を川に流している工場が、どうして下水に接続しないのか。理由は、下水の値段が高すぎるから。
その工場で(川に流す水質基準を守るため)排水処理に掛かっているコストは年間4000万円以下。これが、下水道に流すとなると年間1億円するらしいです。(1000m^3 × 365日 × 270円/m^3)

普通なら、「浄水場」や「下水処理場」で集約処理するなら、コストはそれぞれの工場でやるより割安になるはず。一般の経済理論では、工場の集約化はコスト削減に寄与するはずです。

資本主義経済ではそうなるはずですが、土建主義国家では、集約すれば倍以上に高くなる w

工場の人曰く 「例えば工場の排水処理に専属人員は居ないし、機械は最低限のものを付けて潰れるまで使う」ようなことが当たり前なのに、お役所は…  (想像にお任せします

道路利権も国民を食い物にしているが、水利権も「安全・安心」という嘘スローガンで利権を必死に守ってます。零細な自治体は国から押し付けられた下水投資の負債で再建団体寸前のところが多数あります。このまま財政悪化させ、民間経済をどんどん圧迫して国家破綻するのを楽しみに待ってます w