02 January 2008

KLM867便 故障でドイツ上空で引き返し

昨年末、オランダのアムステルダムから大阪関西空港行きのKLM867便が、ドイツ上空を飛行中に故障発生で出発空港(スキポール空港)に引き返しました。

本来のフライトスケジュール
15:15 アムステルダム スキポール空港 出発
10:20(翌日) 大阪 関西空港 到着


引き返した便のフライトログ
15:20 アムステルダム スキポール空港 出発
16:30頃 ドイツ キール付近で進路反転
17:30頃 アムステルダム スキポール空港 着陸

20080102-kl867return.png
機内のFlightTVで推測した飛行コース

パイロットの機内アナウンスは至って冷静。さすがプロである。パイロットがオランダ語と英語でアナウンスした後に、日本人CAが日本語に訳していたのはギャグであった…

時系列でのイベント
15:40 定刻より5分遅れでF4ゲートから離れる

16:15 エコノミー機内で飲み物が配られ始める
高度 30000ft(約9000m)くらい。いまだに雲の上に出ない

16:30 普段コース変更しないあたりで、旋回している遠心力を感じる

16:35 パーソナルテレビで飛行コースを見ると、なぜか180度ターンして、
目的地がアムステルダムに変更されている

16:40 パイロットのアナウンス
”Anti-Icing Systemが働いていないのが分かり、シベリア上空
を通過できないので、スキポール空港に引き返す。代替便の案内
はスキポールに引き返した後地上職員が行う。当機はスキポール
に着陸可能な燃料を越える燃料を積んでいるため、投棄する”

CAが翻訳してアナウンス
アイシング システムが故障したので、シベリア上空を飛行
出来ないため、スキポール空港に引き返します。…以下略”


※アンチ・アイシング・システム ≠ アイシング・システム
日本人乗客は誰も気が付いていない模様
※”燃料が着陸可能量より多く、投棄する”の翻訳が無かった

17:00 スキポール空港へ向かうコースを、だいぶ海上にずらしている
オランダ沿岸の沖で燃料を投棄していたと思われる

17:30 スキポール空港F滑走路に着陸
オランダ人スチュワーデスのアナウンス
”Welcome to Schiphol” ← 一部外国人から笑い声
機内の一部外国人から拍手

17:40 機体のドアが開かれ、ギャレーのミールカーゴを運ぶ係員が搭乗
代替便にミールカーゴを積み替えていると推測
この時点で、運休ではなく代替便に乗客を乗せると分かる

18:40 お詫びの品として、クーポンを配るとアナウンス

「50EURのKLM航空券バウチャー 2008/8まで有効」
「10EURの空港内食事券 or 15EURの機内販売クーポン」
「携帯電話用の5分無料電話クーポン」
日本語の出来るオランダ人地上職員から配布される。
日本人スチュワーデスが、日本人一人一人に説明して回る

19:00 降機、E20ゲートへ
一般客の居るターミナル・通路とは完全に仕切られた状態の
待合室へ移動させられ、一旦待機させられる。
10ユーロの食事券を配られても、店がない待合室では使えない!
(ターミナルのショッピングエリアに行かせてほしかった…)

19:20 E21ゲートの同型機(B777-200)に搭乗
座席は元の座席へ戻るようアナウンスあり
(離陸時の重心調整のため、搭乗券に記された席に戻るように
という重要なアナウンスは省略された)

19:30 E21ゲートから離れる。出発

機長アナウンスがあり、名前が引き返した機の機長とは違う
交代したのか?
客室乗務員は引き返した機と同じまま

翌日14:30 関西空港に到着

以前、KLM便でCAが「飛行高度35000km」と訳していた前科があるため、「アンチ・アイス(氷結防止装置)」を「アイス(冷凍装置)」と訳しても全然違和感無いところが不思議だ。

アンチ・アイス・システムの故障って、エンジン・アンチ・アイス( EAI )の方なのか、ウイング (前縁スラット)用のアンチ・アイスなのか…。 離陸後に問題にするなら、ウイング・アンチ・アイスのはずは無いので、エンジンの方だろうね。

アンチ・アイス・システムの詳細は、このあたり参照

B777は電気ヒーターではなく、エンジン排気をエンジン・カウル内に引き入れているはずだから、どこかからリークが起こったか…

湿気の多い雲の中 (30000フィートを飛行しているのにまだ雲の上に出ていない) で、冬のヨーロッパ (外気温は -50℃ 程度を示している) のような寒いところを飛行する時には、エンジン吸気付近などに氷塊が張り付かないように、アンチ・アイス・システムは必要不可欠なはず。

それが壊れてるって…

ユトランド半島を通過して、オランダ北部沿岸に達した時には雲の中から出て、遥か英国のほうに沈む夕日が見えていたのでホッと一安心。


オランダ北部沿岸に沿って飛んだのは、おそらく燃料を投棄するためだろうけど、この原油高の時期にもったいないことだ。B777-200ERはBoeing資料によれば燃料満載で171170リットル入っているらしい。
搭乗客は50%以下であったが、貨物は年末年始時期なので満載の可能性が高い。燃料が80%給油されていた場合、130000リットルくらい入っているはずである。

JET-A燃料は1リットル当り100円~130円程度のはずなので、ざっと計算して1400万円程度掛かっているはずである。
スキポール空港着陸可能な最大搭載量が2割くらいとすれば、離陸と飛行で2割程度失われ、残り6割の燃料が北海に投げ捨てられたわけだ。

約900万円の燃料を、北大西洋さんに無料で差し上げる。 (魚の餌にでもなるだろ)

機長涙目… ってか

スキポール空港に引き返して、待合室に缶詰にされた時に撮影した写真

20080102-kl867-01.jpg
故障したB777(右側)、代替機のB777(左側)

20080102-kl867-02.jpg
故障したB777

20080102-kl867-03.jpg
ターミナルBの隔離された待合室

2ちゃんねるの、飛行機墜落編のテンプレ貼っておきます。
スキポールに引き返す機内で、つい思い浮かんでしまいました。

CA「おまいらこれから緊急着陸します。リクライニングを戻し(略)シートベルトをしてくださるようおながいします」
客「逝ってよし」
客「(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル 」
CA「おまいらおちけつ」
客「オマエモナー」
副操縦士「操縦失敗してスマソ」
客「萎え」
副操縦士「sagaります!」
機長「ageろ、右側ageろ!!」
子供「ママ、この飛行機あぼーんするの?」
客「機長逝ってよし。」



副長:機長!!エンジントラブル発生!!もうだめぽ!
機長:湖ハケーン!あそこに降臨しる!
乗客:何が起こってるんですか!?教えてくらはい。
機長:教えてチャソハケーン!晒すぞゴルァ!
副長:教えてチャソ逝って良しっ!!
スチュワーデス:厨房はひっこんでろ!
客A:(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
機長:トラブルをトラブルであると見抜けないと(機長を務めるのは)難しい。
副長:いまさら何ほざいてるんですかゴルァ。ちょっと機長!高度sage過ぎ!
機長:sageてるんじゃなくてsagaってんだよ!むしろ強制sage!?
客B:age!! age---!!!
客C:くそう、こんなことならもっと糞スレたてておくべきだった・・・。
客D:ジサク(・∀・)The End
客E:地面キタ━━━━(´Д`;)━━━━!!!!!

   ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・

・・・死ゲットズサー