実験条件
マザーボード | AOpen 製 i915GMm-HFS (Micro ATX 規格) |
CPU | intel Pentium M 750 (1.86GHz、FSB 533MHz、TDP=27W、MAX=34W *1、MIN=12W *2) |
Memory | Sumsung 製 (PC2-4200) DDR2 533MHz 512MBytes × 2 |
GPU | オンボード (i915GM 内臓 GMA900、DVI-D出力) |
HDD | Seagate 製 Barracuda 7200.8 SATA ST3250823S (250GB、7200min-1) |
CD-ROM | DVD-R Pioneer 製 DVR-110D |
ケース | AOpen 製 H360A スリムケース (250W電源、9cmファン内臓) |
OS | Microsoft Windows XP SP2 (Speed Step 有効) |
CPUの概算消費電力 (intel の 設計用データシートより電圧、電流値を拝借)
*1 : (Vccmax + Vccmin)/2 * Icc = (1.356V+1.260V)/2*26A = 34.008W (at High Frequency Mode 1.86GHz)
*2 : Vcclfm * Icclfm = 0.988V*12.2A = 12.05W (at Low Frequency Mode 800MHz)
Prime95 Ver24.14、In-place large FFT torture test 連続負荷 |
マザーボード標準添付のクーラー(AOpen 標準品) |
高速電脳製 KD-NIAOP915 (購入価格 4980円) |
AOpen標準品のCPUクーラーを取り付けた状態。ノースブリッジのヒートシンクより小さなCPUクーラーでは、まともに冷えるわけ無い...。せめて、ノースブリッジ並みのヒートシンクをつけてもらいたかった。
KD-NIAOP915 は、マザーボード周辺の実装部品(コイル、ジャンパスイッチ等)と干渉するので、ファン取付金具を除去した。ファンは(配線モール用の)両面テープでヒートシンクの上に貼り付けた。
CPU周辺の部品実装状況。ソケットの対角1cmくらい外側に、ヒートシンクを固定するネジ穴が開いている。
ヒートシンクと周辺部品のクリアランスが最も狭いところは、写真上でソケット右側のジャンパピン(茶色)と、ソケット上側にあるコイル。ファン取付金具をはずした状態でも、クリアランス0.5mm以下。(ファン固定金具のネジは、どのように締めるのか? スリムケースに入れた場合には、固定金具を使うのは不可能じゃないかな... → 製造現場では、完全に組立工程を見ていない設計ミス。5000円近くもするのにね。)
双方のCPUクーラー(ヒートシンク)の特性把握
標準添付クーラー → R = 約 1 ℃/W
熱抵抗 R = 温度差 ΔT / 発熱量 Q = 10/12 = 0.83 ℃/W (LFM)
熱抵抗 R = 温度差 ΔT / 発熱量 Q = 35/34 = 1.02 ℃/W (HFM)
高速電脳製 KD-NIAOP915 → R = 約 0.7 ℃/W
熱抵抗 R = 温度差 ΔT / 発熱量 Q = 8/12 = 0.66 ℃/W (LFM)
熱抵抗 R = 温度差 ΔT / 発熱量 Q = 25/34 = 0.73 ℃/W (HFM)
※ 熱抵抗は、低いほど高性能です (発熱量1Wあたりの、温度上昇を示します)
※ 考察
通常、非力なCPUクーラーでも熱抵抗 R=0.5~0.8の間にあるため、CPUコア表面とヒートシンク下面が密着していない可能性があると思われます。(マザーボードに付属している、ヒートシンク取り付けボルトのゴムブッシュが少し厚すぎるのかもしれない)
高速電脳製 KD-NIAOP915 をファンレスにした場合の実験
回転数2100min-1程度で回っているファンを一時的にOFFにして、CPU負荷100%状態で平衡状態となるか探ってみた。
結果として、CPU温度75℃近く(ケース内温度+55℃)まで上昇した状態でも平衡温度に達する気配がなかった。
Pentium M 750 の Tj max=100℃に近づく危険があるため実験中止。
CPU負荷100%かつファンが動いている状態で平衡したところ(左端)で、ファン回転数をゼロにした。
温度が75℃程度まで上昇したところで実験中止(一番グラフが高くなった位置)、ファン起動。
ケース内温度+25℃の、負荷時平衡温度まで戻ることを確認して、CPU負荷を切りアイドル状態へ(左端)。