京都御所の公開日に行ってきました。海外の王宮はいろいろな場所で見学したりしましたが、日本の王宮で「簡単に」入ることが出来るのはここだけだと思います。
やはり、一度は行っておかないと…
京阪電車の丸太町駅から歩くこと15分。だだっ広い京都御苑にたどり着く。皇居(東京)の周りの緑地と同じく、環境省の直轄公園なんですね。看板を見て初めて知りました。
さすがに、自治体がやっている「低レベル」公園とは一味違う「雅な」趣があるように思う。
だだっ広い京都御苑。一般公開日以外は、宮城の内部には入れないそうなので、右前方に見えているような壁を見てるだけなんでしょうね。
上の写真にあるような、閑散とした風景を見て、「ほとんど人が来てないよなぁ」と思ったのは大きな間違い。入場門(正式な名前は宜秋門)の前にある荷物チェック場にはかなりの人だかりができている。
建礼門(けんれいもん)の内側。普段ならこの門の外側からしか見ることが出来ない
中に入る。かなり人がいるが、その辺りで話している人の会話を漏れ聞くところによると、これくらいなら「すいている」方らしい。
しかしながら、ツアー客(胸にバッジをつけているので識別可能)がほとんどのようだ。どこまでも団体行動が好きですよね > 日本人。
京阪や地下鉄の駅から10分程度で来られる所くらい、自分の力で来ればと思う。
写真左側の木を「左近(さこん)の桜」、右側の木を「右近(うこん)の橘(たちばな)」。
昨年、北京の故宮も見たが、日本人の私としては、やはりこちらの方が「なんとなく本物っぽい」ように思える。北京の宮殿は、やたら派手な色が塗りたくってあるという印象があったが、京都の宮殿は「素材そのもののひなびた色」で重厚感がある。
まあ、見る人によってはどちらが好きとも言えないのだろうが。
紫宸殿(ししんでん) と、微動だにしない衛兵。(いや、皇宮警察官)
どこの国の宮殿にもあるように、ここにもいました。衛兵が。欧州の宮殿の衛兵と言えば、徴兵されたばかりの「若者」がやっていることが多かったのですが、ここの衛兵は大概が「おっちゃん」です。
そうそう、衛兵でなくて、腕章には皇宮警察となってました。
日本は、現代の王室関連の英単語を導入するにあたって、イギリスを大いに参考にしているはずだが、どうして、「ロイヤル・ガード」でなく、「インペリアル・ガード」なんでしょうね。
気持ち的には、いまでも「大日本帝国」なんでしょうか。
左側の屋根は紫宸殿の裏側。清涼殿の前にある2本の木は、右側「呉竹」、左側「漢竹」。
紫宸殿の左側の小さな通路を通り抜けると、清涼殿の横に出てくる。
さらに人ごみに沿って奥に行くと、小さな門があり、庭園(御池庭)と小御所などがある。さすがに手入れされた日本庭園だ。ただ、池には鯉が泳いでいないので、純和風庭園には鯉はそもそもいないものなのかなぁと思った。
そろそろ、10時になろうと言う頃である。インターネットで仕入れた情報によれば、蹴鞠(けまり)の実演が行われるようなので見に行ってみる。紫宸殿の東側の広場に人だかりが出来ている。
「10時に始まる」というのは、どこの国の王宮でも若干の時間のずれというものがあり、10時5分であったり、9時55分であったりするものなのだが、ここ日本では何事も時間厳守のようだ。
9時59分に、建礼門の方から色とりどりの装束を着た「蹴鞠プレーヤー」が入場してきた。時間ぴったりである。
実演を始める前に、蹴鞠は1400年程前に中国から伝わったものであることや、勝ち負けの無いゲームであることなど、いろいろ説明がある。
ここで、傍若無人 団体観光客が騒ぎ出す。後から来て、人垣の後ろのほうになって見えないものだから、前の人間は座れだの、背の高いやつは後ろに出るべきだの「大声で独り言をのたまっておられる」。
ったく、団体客と言うのは、自分勝手である。
その割に、蹴鞠を5分くらい見たらさっさと帰ってしまって、人垣もほとんどなくなるので、ちょっと位我慢できないものかねぇ。
さて、その蹴鞠のほうだが、まるで、サッカーのようだ。思いっきりボール(皮で出来ているらしい)を蹴り上げて、たまに観客のほうに飛んでいってしまったりする。昔の宮中の暇つぶしと言ったところなのだろうか。
蹴鞠を暫く見物した後、先ほどの御池庭を通り抜けて、その裏にある御内庭に抜ける。向こう側の建物は、屋根の張替え工事中で、「近代的な」足場と防護シートで覆われている。
こちらの庭のほうが、写真写りがよかったので、上に掲載しておく。(リバーサルフィルムでPLフィルターとUVフィルター2枚使用)
宮殿を出る。出口の清所門の横の建物(事務所?)の前に、なんだか懐かしい「電話の看板」が架かっていた。いっそのこと、電話も昔ながらの赤電話とかがいいのでは?
でも、普段はここは一般人入場不可のところなので、誰が使うんだろうね。
御所を出て、出町柳駅の方へ向かう。御所のすぐ北側に、こんなものを発見。
京都・大阪など各所に「明治天皇なんとかかんとか」という石碑はよく見かけるが、「生誕の地」はここだけではなかろうか(あたりまえだが)。 この木製と思われる碑が妙に新しいのも気にはなるが…