06 March 2007

DC-MC35UL2 冷却ファンの回転数制御

前回(http://netlog.jpn.org/r271-635/2007/03/dcmc35ul2.html)筐体内に増設したファンが結構うるさいため、回転数を落とすこととする。

ファンの回転数を落とす方法は…

20070306-fig1.png

(1)抵抗制御
産業用でも定評のある方法。ファンに掛かる電圧を落として回転数を下げる。
消費電力に見合った容量の抵抗を選定し、抵抗の放熱に注意する。
抵抗(金属皮膜抵抗、炭素皮膜抵抗)は1個10円~20円程度。もっとも安価に製作可能。

(2)可変抵抗制御
可変抵抗を用いて、ファンに掛かる電圧を変化させる。その結果、回転数を変えることが出来る。
消費電力に見合った容量の可変抵抗を選定したいのだが、容量の大きな可変抵抗は少ない。
可変抵抗の安いものは50円程度。今回考慮した半固定抵抗は TOCOS RGP102 (0~500Ω、0.5W)。1個80円ほど。

(3)ダイオード制御
整流用ダイオードに電流値に拠らない電圧降下があることを利用する方法。ダイオード1個で0.65Vの電圧降下がある。発熱するが、ダイオードの数だけ分散するので、1個づつの温度上昇は抵抗のみでやるときに比べたら小さい。
ダイオードは1個10円だが、4V下げるために6個のダイオードが必要。また、配線の途中に6個のダイオードをぶら下げるわけにも行かず、基盤が必要になるというのも問題。

(4)可変電圧制御
レギュレーターICを用いる方法。パソコンのファン制御を考えたときには、入力電圧(12V)が一定している上に、出力電圧が少々振れても問題ないので、オーバースペック気味の設計。
電圧ドロップ分は放熱で賄っているので、この方法の場合も放熱には注意が必要。
最大の問題点は、レギュレーターICのドロップ電圧以上降圧しないと出力電圧が発振する可能性があるのが大問題。LM350というレギュレーターICは最低ドロップ電圧は3Vのため、入力が12V固定とすると出力は9V~0V しか変化させられない。(10Vは、たぶん不可能)
レギュレーターICは1個200円くらいかかる。その他、電解コンデンサや抵抗も必要。

(5)PWM制御
最も効率が良い。といっても、たかが1W以下のファンの消費電力が0.5W程度下がったからといっても、どうってことは無い。自己満足の世界か…
工業用途では主流の方法なんですけどね。今回は考慮対象外とした。

抵抗・可変抵抗・ダイオードのいづれかでファンの回転数を落とすために、まず実験。
実験用ボードを作ってみる。

20070306-fig2.png

回路図の上から、ダイオード制御・抵抗制御・可変抵抗制御を試すことが出来るようになっている。

20070306-fig4.jpg

使用した部品は、これくらい…

20070306-fig5.jpg

20分くらいで組みあがった基盤。基盤の端から適当に部品を実装して行ったら、ダイオードの向きを反対向きに取り付けていた… (回路図を描いたのは組みあがった後というのが失敗の原因)

今回取り付ける「日本電産製 Nidec D03X-12TM-17A」の仕様は
Vf0 = 12V
If0 = 0.05A
で、ファンの抵抗を計算すると
Rf = 12/0.05 = 240 Ω

抵抗制御に使う抵抗を Rr Ωとすると
Ir = 12/(240+Rr)
Vr = 12-Vf
Er = Ir*Vr
そのときにファンに掛かる電圧は
Vf = 240*12/(240+Rr)

Vf と Rr,Er の関係をグラフに書くと

20070306-fig3.png

可変抵抗を適当に調節して、気にならないレベルになるのはおよそファンに掛かる電圧が8V程度以下。

ちょうど、手元に100Ωの金属皮膜抵抗(1W)がある。抵抗に掛かる電力も0.15Wなので、1Wなら十分余裕がある。

20070306-fig6.jpg

最適な抵抗値を見つけるための試験中…

抵抗の温度上昇試験では、通電前19℃→通電後29℃(外気温19℃)となり、特に問題なし。ためしに12V, 0.18A の12cmファンを駆動したところ、通電後の温度は39℃。

製作したのが、次のようなケーブル

20070306-fig7.jpg

100Ωの金属皮膜抵抗を半田でくっつけたケーブル。装置の中に入れる前には、熱収縮チューブで金属部分を完全に被覆してしまう。

これで静かにネットラジオを聴くことが出来る… かも。