28 October 2018

甲山と甲山森林公園

自宅から六甲山を見るとき、右端に小さな丘があるのが気になっていた。 西宮市の甲山(かぶとやま)。標高309mの低い山だが、独特の形をしている。

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自宅から見た六甲山と甲山の位置関係

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甲陽園へ

今回は阪急の支線、甲陽園が最寄り駅なので、自宅近所の阪神電車で行くことができない。いったん梅田まで自転車で行き、そこから阪急電車で向かう。

■ 阪急神戸線 特急 梅田駅 11:50発 → 夙川駅 12:05着
■ 阪急甲陽線 夙川駅発 12:07発 → 甲陽園駅 12:12着 (運賃 280円)

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阪急 甲陽園駅

GPSログ

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甲陽園駅から神呪寺まで

ヤマレコで作成したKMLを、OruxMapsに読み込ませ、住宅街の中の複雑な道を迷わず神呪寺を目指す。

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甲陽園西山町

甲陽園駅を出てすぐに坂道。 かなり急な坂道だ。 駅前の標高が40mほどで、神呪寺の手前にある甲山八十八ヶ所の峠の標高が190m。 住宅街の中、およそ150mの登りだ。

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甲陽園目神山町の峠の手前

峠の手前で住宅街が途切れる。 この辺りの住人はお金持ちばかりなので、高級自家用車でお買い物なのだろう。 明らかに自転車では登れない急坂が連続しているので、庶民が住むことはできそうにない。

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甲山八十八ヶ所

神呪寺の手前、峠の辺りに甲山八十八ヶ所がある。2kmの巡礼道沿いにある88箇所の石仏にお参りすれば、四国八十八箇所を巡礼したのと同じ功徳になるといわれる。これらは江戸時代に、四国八十八箇所のそれぞれから砂を持ち帰り、造られたものだそうだ。

西宮コミュニティ協会がイラスト地図を出しているので、それがわかりやすい。

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甲山町の農村風景

この道の先に神呪寺があり、背後には甲山(標高309m)がある。

神呪寺

甲山大師 神呪寺(かんのうじ)は、9世紀初めに淳和天皇の第四妃(如意尼)が開いたとされる。 空海が、山頂の巨大な桜の木を用いて製作させた如意輪観音坐像がご本尊だそうだが、現在本堂にあるものは10世紀から11世紀頃に製作されたものだという。

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神呪寺 仁王門手前の丁石

本堂まで1丁(約100m)を示している。 丁石は、1丁ごとに建てられていて、ここから東の関西学院大学の近くにある十三丁石まで確認されているらしい。

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神呪寺 仁王門

1804年に建てられた門で、左右に低屋根を段違いにかけた “ 珍しい建築様式 ”(中央高屋根四脚門) だそうだ。

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神呪寺の石段

仁王門のすぐ横、石段をぶった切る形でバスの走る道路がある。その道路から見た約105段の石段。

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神呪寺 石段横の灯籠

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神呪寺 鐘堂と展望台

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展望台から見た景色

ちょうど、豊中市辺りから梅田あたりまでの景色が見えています

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神呪寺 本堂

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神呪寺 多宝塔

多宝塔の横が、甲山の山頂に続く登山道の入口になっている

甲山

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神呪寺境内の甲山登山口

登山口の標高は、すでに210m。 あと100m登れば甲山の山頂だ。 これは登山ではなく、単なる散歩レベルだ。

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登山道

登山道はつづら折りで、ところどころ樹木がまばらで眺望が良くなっている。

およそ15分登れば、頂上広場に出る。

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甲山の山頂広場

広場の中央が一番高いのだろうが、三角点は広場の端っこにある。

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二等三角点 甲山

国土地理院の情報では標高309.24mで、周囲は「山林」と記録されている。 山林じゃなく、芝生広場だと思うのだが…

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甲山 平和塔

山頂の一角には、二頭三角点より遥かに巨大な「平和塔」が建っている。

甲山の頂上から下山するには、来た道を戻り神呪寺に至る道、東側の甲山森林公園に至る道、西側の北山貯水池・北山緑化植物園に至る道がある。 今回はオーソドックスな森林公園に降りる道を選択する。

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下山道に咲いていたコウヤボウキ

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下山道にある源頼朝の塚

鎌倉時代に神呪寺を再興した源頼朝の「墓」とされる五輪塔。

甲山の山頂付近や、東側に広がる森は「兵庫県立」甲山森林公園。その間に割り込む形で「西宮市立」甲山自然環境センターの敷地がある。ちょうど、源頼朝の塚を過ぎたあたりだ。

西宮市立自然環境センターの敷地に入った途端、登山道が荒れ放題となり、雨水で深くえぐり取られている。 山道の整備に回す予算が少ないのだろうか…

甲山森林公園・甲山自然環境センター

登山道の出口には、子供用のドールハウスのようなものが建っている。

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甲山森林公園側の登山口(みやたんハウス)

このハウスは、登山届を出すための小屋ではないようだ。

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西宮市立 甲山自然学習館と甲山自然の家

登山口の横に、自然学習館がある。 今の時期に見られる花の写真や、昆虫や岩石の標本、地質図などが展示されている。

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甲山の成り立ち (甲山自然学習館)

風化した花崗岩の六甲山に、火山が噴火してできた安山岩の甲山。

登山道が森林公園から自然環境センターの敷地に入ったところで、急に雨水に侵食されてボロボロになっていたのは、地質が「風化しにくい安山岩」から「風化した花崗岩」に変わったからなのかもしれない。

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甲山自然の家横から見た景色

川西市、池田市、豊中市辺りが見えている。 すぐ眼下に見える草原のような場所は、第4湿原。

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甲山自然環境センターの第4湿原

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第4湿原のフジバカマ

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甲山森林公園の記念碑広場から見た甲山

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甲山森林公園の「愛の像」と甲山

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甲山森林公園の展望台

大阪北部が一望できる展望台(標高165m)付近は、徳川大坂城の東六甲採石場の跡地。

仁川の郷 (仁川百合野地区の地すべり防止対策斜面)

1995年の阪神・淡路大震災により発生した地すべりで被災した斜面を、災害復旧して公園化した場所のを横切る。

一面の花壇や果樹園になった斜面は、イノシシにとって住みやすいのか、たくさんのイノシシが走り回っている。

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仁川の郷を走り回るイノシシ

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ススキ

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仁川百合野町地すべり資料館

地すべり対策や砂防などの技術を、わかりやすく展示している。

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仁川百合野町 地すべり対策工の概略図

帰宅

地すべり資料館から、仁川に沿って1.5km歩くと、阪急仁川駅。

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仁川 (武庫川の支流)

■ 阪急今津線 仁川駅 14:34発 → 西宮北口駅 14:40着
■ 阪急神戸線 特急 14:45発 → 梅田駅 14:58着 (運賃270円)