09 September 2017

乗鞍岳・双六岳トレッキング:乗鞍岳・新穂高〜わさび平小屋(9月9日)

もくじ

事前準備
高山、平湯(9月8日)
乗鞍岳・新穂高〜わさび平小屋(9月9日)
わさび平小屋〜双六岳(9月10日)
双六小屋〜新穂高(9月11日)
紅葉と花々

ヤマレコの記事
乗鞍岳(畳平~山頂)
双六岳(新穂高~左俣林道~小池新道~双六小屋)

平湯温泉

双六岳に向かう前、平湯温泉で1泊して早朝の乗鞍岳に登った。 秋雨前線が日本列島の南に移動し、かわりに大陸より秋の高気圧がやって来て急速に天候が回復してきている。

20170909-tenkizu-0909-09h.jpg
天気図

穂高荘倶楽部のソファーの並んでいる休憩室で、前日仕入れておいたコンビニおにぎりと、自宅より持参したレトルトパックの「ごぼうサラダ」を食べる。

まだ開いていないチェックインカウンター前に、浴衣やタオルなどを置いてチェックアウト。すでに早朝出発の登山客が10名程度居たらしく、カウンターの前には浴衣などを収めた青いトートバッグがたくさん放置されていた。

歩いて数分のところにある平湯温泉バスターミナルに向かう。 コインロッカーにザックを預け(300円)、財布や水だけをアタックザックに入れて乗鞍行きバスに乗る。

バスは、4時、5時40分、以降毎時40分発のパターンダイヤで分かりやすい。 バスターミナルにやって来たのは、長野県側のアルピコ交通のバス。平湯も畳平も岐阜県のはずなのに…。

バス : 平湯温泉から乗鞍岳畳平

■ アルピコ交通バス 平湯温泉 05:40発 → 乗鞍岳 畳平 06:36着 (往復運賃2,300円)

20170909-hirayu-tatamitaira-bus.jpg
平湯温泉バスターミナルに停車している畳平行きバス

乗客4人を乗せて、定刻通りに出発。標高1,250mの平湯温泉を出発したバスは、標高1,450mの平湯トンネルを抜けて乗鞍スカイラインの入口を通り過ぎ、いったん高山方面にある朴の木平(ほおのき平)スキー場の無料駐車場に向かう。朴の木平駐車場から30人〜40人程度の乗客が乗ってきてバスは満員。

朴の木平(ほおのき平)駐車場を出たバスは、3kmほど平湯の方に戻り乗鞍スカイラインに乗り入れる。ここから先は路線バスや観光バスなど許可のある車しか入れない専用道路だそうだ。

かつては大量のマイカーがやって来て大渋滞したため、2003年から一般車禁止となったそうだ。

20170909-norikura-skyline.jpg
乗鞍スカイラインを登るバスの車窓

全長14.4kmの乗鞍スカイラインの最初の方は樹林帯の中を走り、崖沿いの急カーブのところで槍・穂高が見渡せたりするので景色が良い。標高2,200m辺りを越えると樹林帯を抜けて、乗鞍岳頂上付近の峰々の間のなだらかなところを走ると、終点の畳平駐車場のバス停に到着する。

GPSログ


トラッキングログの元ファイルをダウンロードする場合はこちら(GPXファイル)

主要ポイント間の所要時間

区間通過時刻所要時間標準コースタイム
畳平 駐車場 〜 肩の小屋06:44 〜 07:0925分35分
肩の小屋 〜 剣ヶ峰 山頂07:09 〜 07:4435分50分
剣ヶ峰 山頂 〜 肩の小屋08:00 〜 08:2424分40分
肩の小屋 〜 畳平 駐車場08:24 〜 08:4521分35分

畳平から肩の小屋

バス停前の建物(畳平バスターミナル)の2階に有料トイレ(100円)があったので入ったのだが、建物の外にもトイレがあるのを後で発見。外のトイレは無料なのかな…

6時44分、畳平を出発。登山道は、駐車場から少し低くなったお花畑を経由する直進ルートと、鶴ヶ池の南を回りこんで富士見岳の登山口を通過する迂回ルートの二つがある。お花畑のルートは「通行禁止」と札がぶら下がっていたので、迂回ルートを否応なく進むことになる。

登山道入口には森林管理事務所があり、「クマにご注意」の看板が掲げられている。そういえば、2009年にバスターミナルの建物に闖入したツキノワグマが狼狽し、観光客を次々となぎ倒す事件があったな。

20170909-norikura-fujimitake.jpg
鶴ヶ池南端の富士見岳登山口分岐

富士見岳登山口分岐で、剣ヶ峰と書かれた麓の西を巻く登山道を選択。時間に余裕のある人は、この支峰にも登るようだ。

20170909-norikura-tatamitaira.jpg
富士見岳の北を巻く登山道から畳平を振り返る (恵比寿岳(左)、大黒岳(中央)、鶴ヶ池(右)

富士見岳の登山口を通り過ぎ、富士見岳の北・西・南と麓を巻く登山道を進む。畳平を振り返ると、鶴ヶ池の向こうの雲海から突き出している槍・穂高連峰が見える。

乗鞍岳主峰の剣ヶ峰はここからは見えず、その位置には支峰の摩利支天岳山頂にある乗鞍コロナ観測所(天文台)跡の真っ白なドームが見える。

20170909-norikura-observatory.jpg
摩利支天岳(左)の頂上に乗鞍コロナ観測所跡

富士見岳の南端で(支峰経由の)登山道が合流し、しばらく歩くと今度は摩利支天岳の登山道、現在は乗鞍観測所(コロナ観測所跡)への分岐となる。

20170909-norikura-mariitenbunki.jpg
乗鞍観測所分岐地点から富士見岳(2,817m)の方向を振り返る

20170909-norikura-kiezugaike.jpg
摩利支天岳の麓にある不消ヶ池(きえずがいけ)

乗鞍観測所分岐地点を過ぎると、やっと主峰の剣ヶ峰が見えてくる。

20170909-norikura-kengamine01.jpg
剣ヶ峰(左) 3,025m、蚕玉岳(中央) 2,979m、朝日岳(右) 2,975m

乗鞍観測所分岐点から剣ヶ峰山頂までは200mほどの標高差だ。

すぐに肩の小屋の前に到着。畳平からここまではフラットな砂利道なので、普通の車が乗り入れることが出来るようだ。

20170909-norikura-katanokoya.jpg
肩の小屋(左の白い建物)と、東大宇宙線研究所乗鞍観測所(右奥の赤い建物)

肩の小屋から乗鞍岳山頂(剣ヶ峰)

ここから先が「登山道」となり、上り坂になる。

20170909-norikura-kengamine-tozanguchi.jpg
肩の小屋前の剣ヶ峰登山口

山頂に続く登山道には、幾人かの登山者が見える。 登山道を少し登った付近から、後ろの景色を振り返ると絶景だ。

20170909-norikura-marisiten.jpg
剣ヶ峰登山道入口付近から摩利支天岳方向を振り返る

写真下より、肩の小屋・宇宙線研究所乗鞍観測所、摩利支天岳とコロナ観測所跡、槍・穂高連峰。

登山道は朝日岳の東斜面を巻いて剣ヶ峰山超方向へ続いている。なだらかな斜面に、小さな岩がゴロゴロと転がっている道だ。

20170909-norikura-asahitake.jpg
朝日岳の東斜面を巻く剣ヶ峰登山道

旭岳の斜面を巻いた道は、蚕玉岳の頂上を経由して剣ヶ峰へ続いている。

20170909-norikura-kodamatake.jpg
蚕玉岳

山頂にあるボロボロの標柱には2,980mと書かれているが、Wikipediaには2,979mと書かれていたりする。地盤の変位なのか、単に四捨五入の問題なのか…

登山道は、ますます岩がゴロゴロした状態となるが、一般の観光客が大挙してやってくるところなので、石は完全に固定され浮き石を心配する必要もないくらいだ。

20170909-norikura-kengamine02.jpg
剣ヶ峰 山頂直下

バス停から歩くこと約1時間、7時44分に剣ヶ峰山頂に到着。

20170909-norikura-kengamine03.jpg
剣ヶ峰山頂(畳平側)

登山道を登り切ると何人かが休めるスペースがあり、乗鞍本宮奥宮の後ろ壁面が見えている。 神社の建物を回りこんで正面に行くと、御札やお守りを売る禰宜が常駐する ” 普通の神社 ” だ。

20170909-norikura-hongu.jpg
剣ヶ峰山頂の乗鞍本宮奥宮

頂上には鳥居もあり、畳平側ではなく南西方向に下っていく登山道の方向を向いている。雲海を見下ろす鳥居というのも、なかなか見れるものではない。

20170909-norikura-hongu-torii.jpg
剣ヶ峰山頂の鳥居

20170909-norikura-hyoutyu.jpg
鳥居の横には、剣ヶ峰の標柱が立っている。

東方向からどんどんガスが上ってきて、北アルプスの山々が雲に隠れていく。

20170909-norikura-kengamine-north.jpg
剣ヶ峰山頂から北方向

山頂から北方向、山頂直下には山頂小屋、そのずっと下に肩の小屋、乗鞍コロナ観測所の白いドームなどが見えている。地平線上の中央の山塊は槍ヶ岳(左)・奥穂高岳(中央)・前穂高岳(右)。槍ヶ岳と乗鞍岳支峰の間には、今にも雲に隠れようとしている焼岳。焼岳の向こう(上)には茶色い山肌の野口五郎岳が見えている。残念ながら、明日登る双六岳周辺は野口五郎岳左下の雲の中だ。

20170909-norikura-kengamine-west.jpg
剣ヶ峰山頂から西方向

山頂から西方向には火口湖の権現池が見える。

20170909-norikura-kengamine-south.jpg
剣ヶ峰山頂から南方向

山頂から南方向は、支峰の大日岳が手前に見え、遥か雲海の向こうに御嶽山が見えている。

乗鞍岳山頂(剣ヶ峰)から畳平

頂上で20分間休憩したので、そろそろ下山。バスが出発するまで、あと48分だ。標準コースタイムが1時間15分の道なので、余裕でバスの時刻に間に合うはずだ。8時、下山開始。

20170909-norikura-katanokoya02.jpg
肩の小屋手前から見た、小屋とコロナ観測所跡

向こうからやって来る登山客が増えてきた。胸元に黄色いバッジを着けた団体まで…。 ここは誰でも登れる公園の岩山という位置付けなのだろう。

8時45分、バスの出発時刻の5分前に畳平駐車場に到着。

バス : 乗鞍岳畳平から平湯温泉

■ アルピコ交通バス 乗鞍岳 畳平 08:50発 → 平湯温泉 09:42着 (往復運賃2,300円)

20170909-norikura-tatamitaira-bus.jpg
畳平駐車場の平湯温泉行きバス

復路のバスはお客さんが数人。 往路のバスは大量の客を乗せてきていたはずだが、それらの客はまだ山頂付近で大休憩してしまい、バスに間に合っていないのだろうか。

バスが平湯バス停に着く寸前、新穂高行きのバスが出発していくのが見えた。1時間毎の運転では、無駄に1時間もここで待たないといけない。乗継できるようなダイヤにして欲しいと思う。

20170909-hirayu-busterminal.jpg
平湯温泉バスターミナル

この1時間を有効利用して、昼食を食べようと思う。食べログで調べると、バスターミナル内の喫茶店と、すぐ北西に隣接する喫茶店の2店が見つかる。バスターミナルの喫茶店にいってみると、11時までは食事メニューは出せないと言われる。隣接する喫茶店は、食べログ評価では「地元利用も問題ない」とかいい加減なことが書いてあるが、やはり11時までは食事メニューは無いとの回答。バス停で売っている肉まんは1個500円とボッタクってるし、おとなしく1時間バスを待ちましたとさ。

バス : 平湯温泉から新穂高

■ 濃飛バス 平湯温泉 10:40発 → 新穂高温泉(登山指導センター前) 11:13着 (運賃890円)

高山方面から乗ってきたお客さんは、ここ平湯温泉で殆ど下車してしまい数人の乗客を乗せて新穂高に向かう。乗客の半数以上は外国人だが、登山以外の観光スポットってそんなにあるのかと不思議に思う。

終点1つ手前の新穂高温泉バス停で下車。目の前は新穂高登山指導センターで、ここで登山届を提出する。

すぐ裏手の中崎山荘に行きます。ここは昔、山小屋だったそうだ。その名残か、いまでも北アルプス山小屋交友会の山小屋リストに掲載されていたりする。

20170909-nakasakisansou.jpg
中崎山荘

ここで昼食を食べる。山小屋で出てくるようなカレーだが、具が殆ど入ってない。値段は、地上価格と山小屋価格の中間辺りでだろうか。カレーが700円、温泉卵が50円。

20170909-nakasakisansou-curry.jpg
カレーと温泉卵

主要ポイント間の所要時間

区間通過時刻所要時間標準コースタイム
新穂高 〜 中崎橋11:51 〜 12:3342分60分
中崎橋 〜 笠新道分岐12:33 〜 12:4512分10分
笠新道分岐 〜 わさび平小屋12:45 〜 13:0015分10分

新穂高からわさび平小屋

登山指導センターのトイレの洗面所で水を水筒に入れて、GPSロガーを起動し、11時51分に登山指導センター前を出発する。

蒲田川に架かる橋を2度渡り、左俣林道のゲートを通過する。 ここにも登山届のポストが設置されている。

20170909-samatarindou-gate.jpg
左俣林道ゲート

しばらく見通しの悪い林の中を歩き、再び蒲田川沿いに出ると、笠ヶ岳・抜戸岳の稜線にもくもくと雲が掛かっている。

20170909-samatarindou-anaketani.jpg
左俣林道から雲の掛かった笠ヶ岳・抜戸岳稜線

蒲田川沿いにしばらく歩くと、「橋が傾いているため、通行された際の事故について、一切の責任を負いかねます」と大きな看板の設置された中崎橋を渡る。

20170909-samatarindou-nakasakihashi.jpg
中崎橋

すぐ上流には中崎発電所の取水施設があり、更にどんどん林道を進んでいく。

水飲み場のある笠新道との分岐点を通過すると、すぐにわさび平小屋に到着。13時ちょうど。

20170909-wasabitairakoya.jpg
わさび平小屋

ここにはテント場があるが、虫が多いので今回は素泊まりで小屋に泊まる。素泊まり1泊は5,500円。

指定された部屋は2階の「コバイケソウ」。8枚の布団が用意されていたが、この日は私を含めて2名が宿泊者だった。

20170909-wasabitairakoya-kobaikesou.jpg

日没まで数時間あるので、明日行く予定の林道終点の小池新道登山口を事前偵察に向かう。途中、大きなヒメクワガタを見つけて写真撮影していると、下山途中の自然保護官が声をかけてくださり、この辺りでは珍しい大きさまで成長した個体だということだ。

林を抜けて先に進むと、林道の上を川が横切っている所がある。明日の朝、真っ暗な時間に通過するときには注意すべきポイントの一つだ。

16時過ぎ、暗くなる前に小屋屋外のテーブルで晩ごはんを作る。

20170909-bangohan.jpg
晩ごはん

アルファ米の五目ごはん(340円)、豆とひじきのサラダ(127円)、鶏肉ミートボール(108円)に、小屋で買ったりんご1個(250円)がこの日のメニュー。

夜中の時点で、入口の下駄箱に入れられていた靴は31足。泊り客は31人なのだろう。そのうち笠ヶ岳に上るツアー客が15名と、そのガイドが数名。 まさに、ツアー客あっての小屋経営だ。

ツアーのガイドさんに、急登の笠新道で脱落者が出ないのか聞いてみた。コースタイム程度の速度で歩くので大丈夫だそうだ。ツアーの客の殆どがシニア女性。本当に大丈夫なのだろうか…。

本日の支出

・平湯バスターミナル コインロッカー 300円
・バス 平湯温泉〜乗鞍畳平 往復 2,300円
・畳平 有料トイレ 100円
・バス 平湯温泉〜新穂高 890円
・昼食 中崎山荘 カレー・温泉卵 750円
・わさび平小屋 素泊まり 5,500円
・りんご1個 250円

合計 10,090円
3泊4日の登山に掛かった総費用 41,751円