08 September 2017

乗鞍岳・双六岳トレッキング:高山、平湯(9月8日)

もくじ

事前準備
高山、平湯(9月8日)
乗鞍岳・新穂高〜わさび平小屋(9月9日)
わさび平小屋〜双六岳(9月10日)
双六小屋〜新穂高(9月11日)
紅葉と花々

ヤマレコの記事
乗鞍岳(畳平~山頂)
双六岳(新穂高~左俣林道~小池新道~双六小屋)

高速バス : 大阪 〜 高山

北アルプスへ登山に向かう前に、岐阜県の平湯温泉で1泊した。 大阪から平湯温泉へは、まず高速バスで高山まで行き、そこで路線バスに乗り継ぐことになる。 所要時間は7時間程度、ほぼ一日掛かる大移動だ。

■ 濃飛バス 大阪東梅田 7時38分発 → 高山バスセンター 13時26分着 (運賃 4,700円)

大阪の東梅田駅を10分ほど遅れて出発したバスは、南森町から阪神高速道路に入り、東大阪、枚方と経由して京都に向かった。

東梅田を出た時点で、乗客は10名ほど。私を含め、登山者が半数程度のようだ。

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阪神高速道路を走るバスから見た大阪城

東大阪から門真までの近畿自動車道路で短い渋滞に引っかかり、門真から枚方までの間で大渋滞に引っかかる。 門真から枚方まで45分もノロノロと走ったことになる。この時点で1時間弱の遅れなので、途中のSAでの休憩をカットしない限り、高山にも1時間位遅れて到着することになる。

京都駅八条口のバス停には、50分遅れの9時10分に到着。

その後、黒丸PA(10時05分〜10時25分)、川島SA(11時30分〜11時45分)と、きっちりと途中休憩を取ったので、遅れが解消されることはなかった。

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黒丸PAに休憩停車

黒丸PAのローソンでは、ご飯大盛りになった弁当が売っている。 登山客だけでなく、一般の旅行客にとってもありがたい選択肢だ。 今回は、高山で観光するためここでは弁当は買わなかった。そのかわり、肉まん1個(120円)を買った。

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黒丸PAのローソンで売られている「ご飯大盛り」弁当

2度めの休憩で停車した川島SAは、まるで郊外のショッピングモールか遊園地のようなところだ。国営木曽三川公園の河川環境楽園という広い公園になっていたり、駐車場側はオアシスパークというショッピングモールになっている。

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川島SA オアシスパーク

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国営木曽三川公園の河川環境楽園入口

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国営木曽三川公園の河川環境楽園

上空は航空自衛隊岐阜基地を離着陸する航空機の航路となっているようで、このときもC-1輸送機が通過していった。

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川島SA上空を飛ぶ航空自衛隊C-1輸送機

郡上八幡で京都から乗車した外国人らしき数名が下車、終点の高山バスセンターには45分遅れの13時26分に到着した。

GPSログ

トラッキングログの元ファイルをダウンロードする場合はこちら(GPXファイル)

高山市内 観光

バスターミナルのコインロッカーにザックを預ける。ほとんどのロッカーが空いているが、その殆どが壊れているという不思議なロッカー。ぜんぜん鍵が閉まらないのに、300円を無駄に取られたりと、観光地クオリティ爆発しています。

駅前にラーメン屋を発見して、高山ラーメンを食べる。

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駅前軒 高山ラーメン (750円)

あっさりした醤油ラーメンです。 高山まで来なくても、スーパーで売っている普通の生ラーメンを自宅で調理しても同じ味だと思います。 普通すぎて... でも美味しかったです (笑

高速バスが遅れていなかったら、2時間の市内観光時間が確保できたはずなのだが、残念ながら平湯行きバスの出発時刻14時40分までの、およそ1時間が観光時間だ。

事前にGPS地図(OruxMaps)に観光ポイントを回るルートを設定しているので、OruxMapsのルートナビを有効にして最速で観光地をめぐる。

駅前からまっすぐ東へ、市街地の東を縦断する神通川(宮川)支流までのあいだは、ごく普通の住宅地が広がっている。

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高山市の市街地(駅の東側)

駅から500mほど東のところに流れる神通川の畔に、高山陣屋がある。

高山陣屋は江戸幕府の天領(直轄支配地)であった飛騨高山に置かれた、幕府の出先機関。飛騨高山藩主の金森氏の下屋敷だった建物を、藩がお取り潰しとなった後に接収し幕府の施設にした建物だ。

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高山陣屋 表門

建物は改修中で、外壁は足場に覆われている。 建物内部は普通に見学可能で、玄関から入り、御役所、御用場、座敷、郡代居間などの各部屋を巡ることが出来る。

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高山陣屋 御用場(手前)と御役所(奥)

御役所(おんやくしょ)は郡代手付が勤める場所、御用場(ごようば)は地役人が勤める場所で、陣屋の中枢部だった場所とされる。

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高山陣屋 御居間

御居間(ごいま)は郡代の日常生活が営まれた居間。

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高山陣屋 広間

「忠孝」の掛け軸の掛かる奥の部屋は御座之間(ござのま)で、代官が着座する場所。 時代劇などでよく見かける風景ですね。

高山陣屋を出て、すぐ目の前には日枝神社の御座所がある。高山城跡の丘「城山」の南にある日枝神社まで行かなくても、ここでも御札などが受けられるようだ。

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日枝神社の御座所の横には、神通川(宮川)に架かる中橋(なかばし)がある。

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宮川に掛かる中橋

江戸時代からこの位置に橋が架けられていたそうだが、現在の橋は1929年に架橋されたコンクリート製のレトロ橋だ。 高山祭りの写真撮影ポイントともなっている、観光名所でもあるらしい。

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神通川(宮川)と高山城跡のある城山

中橋を渡ると、右へゆけば高山城跡のある城山、左へゆけば「古い町並」という古民家風の建物が並ぶ土産物街がある。

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古い町並

「古い町並」は江戸時代の城下町(商業地)だった場所を再開発し、土産物屋や食べ物屋を誘致した高山随一の観光名所だそうだ。 地下街やビルの中にも、「レトロ○○」と銘打って江戸時代風の建物を建ててテナントを誘致した所が多いが、これをみるために高山まで来るというのもどうかな...

古い町並の北端まで行き、新穂高行きバスの走る国道158号線を西へ。神通川(宮川)を渡り再び高山駅の方向へ向かう。

この国道沿いはアーケード商店街になっていて、しばらく歩くと飛騨国分寺がある。

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飛騨国分寺 「聖武天皇 直願所」の石碑

飛騨国分寺は聖武天皇により出された国分寺建立の詔によって、行基が757年に建立したとされる。本堂(重要文化財)は室町時代中期に、三重塔は1820年に、鐘楼門は安土桃山時代に建てられたとされている。

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飛騨国分寺の鐘楼門と三重塔

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飛騨国分寺の本堂

さて、この辺りで市内観光の1時間がほぼ過ぎたので、急いで高山駅横のバスセンターに戻る。

駅前のファミリーマートで今晩の食事となる弁当を購入し、出発間際の新穂高行きのバスに駆け込み乗車。

バス : 高山 〜 平湯温泉

■ 濃飛バス 高山バスセンター 14時40分発 → 平湯温泉 15時41分着 (運賃 1,570円)

バスはほぼ満員の客を乗せて国道158号線を東へ。地元の人10名程度がが高山市街地で乗降し、飛騨鍾乳洞で女子学生数人のグループが降り、大多数の客は平湯温泉で下車した。新穂高まで連続乗車する客はほとんど居ないようだ。

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平湯バスターミナル

平湯温泉

バスを降りて、今日泊まる予定の日帰り温泉の穂高荘倶楽部に向かう。

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穂高荘倶楽部

日帰り温泉の入場料750円に、深夜料金650円を追加するとソファーや大部屋の休憩室に「宿泊」できる施設だ。さらに、半個室の「特別仮眠室」を500円の追加料金で利用できたりする。

16時30分からの受付時間とホームページに書かれているが、15時50分頃でもチエックイン可能だった。 予約無しだったが、たまたま特別仮眠室にキャンセルが出て空いていたので、500円の追加でそこに泊まることが出来て幸運だった。

特別仮眠室を使う宿泊料金として支払った合計は1,900円。

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この休憩室(椅子)は、追加料金500円は不要。大型テレビが2台あります

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2階に2部屋あるマットレスが並んだ休憩室。この部屋も追加料金500円は不要

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今回宿泊した特別仮眠室。追加料金500円必要な場所

枕が「時代劇に出てくるような木製の硬い何か」なので、代わりにレインコートを丸めた物を使った。その他には、特に不便なこともなく、快適に過ごすことが出来た。

日没まで1時間ほどあるので、観光に出かける。 穂高荘倶楽部の道路を挟んだ向かい側には、平湯神社という小さな神社がありる。

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平湯神社

平湯神社の境内に隣接して、平湯民俗館という江戸時代の建物などを保存・公開している施設がある。

道路寄りの入口近くには入母屋造りの農家の建物を保存した「旧豊坂家住宅」がある。

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入母屋造りの旧豊坂家住宅(手前)と、合掌造りの旧高桑家住宅(奥)

囲炉裏のある広い居間や、唐箕・千石通しなどが展示されている客間など、蚊取り線香の匂いを嗅ぎながら見学。係員も誰も居ないので、入場料が要るかどうかも不明。

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旧豊坂家住宅の居間

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旧豊坂家住宅の客間に展示されている農具(左が千石通し、右が唐箕)

旧豊坂家住宅の裏手には、合掌造りの「旧高桑家住宅」がある。こちらは食堂「禄次」という商業施設なので、見学は出来無さそうな雰囲気だ。

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合掌造りの旧高桑家住宅

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薬師堂(手前)と篠原無然記念館(奥)

日没の18時09分まで、あと1時間半ほどある。平湯バスターミナルの南、およそ1.9kmほどのところにある平湯大滝を観に行くことにする。

平湯大滝は落差64mの滝で、日本の滝百選にも選ばれているという。

バスターミナル前から南へ700m、安房トンネルの料金所横を通りすぎて緩やかな坂道を登って行くと、平湯スキー場の前まで来る。ここでスキー場横の管理道路に入り、川沿いに谷の奥に入っていく。

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平湯スキー場 (この建物の右側の道路を谷の奥に向けて歩く)

平湯大滝公園の駐車場があり、料金所の小屋には「休館中」との札が下がっている。駐車し放題... だが、停まっている車は1台のみ。

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平湯大滝に向かう道路(平湯大滝公園駐車場前)

川を渡る吊橋があり、「キャンプ場」「大ネズコ」という案内板が掛かっている。「ネズコ」って、何なのでしょうか...。ネットで調べると、山の斜面に大きなネズコの木(ヒノキの一種)があるらしい。

ゆるゆると管理道路を登って行くと、谷の奥に滝が見える。

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平湯大滝

奥飛騨温泉郷の旅館などに泊まると、テレビで防災ライブカメラをみることができるが、いままではそれでしか見たことがなかった。実際に見てみると、かなり大きな滝だ。(神通川水系砂防事務所 防災カメラでもみることが出来る)

そろそろ日暮れなので、宿泊場所に戻る。

夕食は、高山駅前のファミマで購入した幕の内弁当(398円)と、平湯の売店で買ったカップラーメン(190円)。 お湯は、穂高荘倶楽部 B1階のレストラン厨房で入れてもらった。

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食後、館内の温泉へ。大浴場は渡り廊下を通って隣りにある穂高荘 山がの湯本館の中にある。お客さん1名がちょうど湯から上がったところで、室内の大浴場と、外の露天風呂を独り占めだ。

湯の温度はぬるめ、ちょうど入りやすい温度だ。

夜19時頃になり、少しずつお客さんが増えてきた。特別仮眠室には登山客と思われるグループや、おばちゃんのグループなどがチェックインしすべてのスペースが満席になっていた。それでも、1階のソファーのある大部屋で寝てる人は居なかったし、2階のマットレスが敷かれた大部屋も満員ではなかったので、予約無しでも泊まれないということは無さそうだ。

本日の支出

・高速バス 大阪〜高山 4,700円 (クレジットカード払い)
・黒丸PA 肉まん1個 120円 (クレジットカード払い)
・高山 コインロッカー 300円
・高山 駅前軒 高山ラーメン 750円
・高山陣屋 入場券 430円
・高山ファミリーマート 幕の内弁当 398円、スパイシーチキン 145円、おにぎり2個 180円、
    小計 723円 (クレジットカード払い)
・バス 高山〜平湯 1,570円
・平湯 カップヌードル 190円
・平湯温泉 穂高荘倶楽部 1泊 1,900円 (クレジットカード払い)

合計 10,683円
3泊4日の登山に掛かった総費用 41,751円