20 April 2016

高松・琴平 その2 : 金刀比羅宮

高松・琴平 その1 : ジャンボフェリーで神戸から高松へ』からの続き

うどんを食べ終わった時点で午前6時前。金刀比羅宮に行くために琴電に乗るわけだが、6時の始発電車にぎりぎり間に合う時間。そんなに早く琴平に行っても、神社が開いていない可能性もあるため、列車を1本見送ることにする。

高松バスターミナルの待合室で時間をつぶす。この時間帯、5分おきにJRやフットバスの神戸・大阪方面行きのバスが出発していく。

20160419-takamatsu-station.jpg
朝日を浴びるJR高松駅

琴電で琴平へ

■ 高松築港 06:30発 → 琴電琴平 07:32 (620円)

20160419-kotoden-takamatsu.jpg
琴電 高松築港駅

この写真に写っている車両1205Fは、2003年に京急から購入したもので、「しあわせさんこんぴらさん号」と呼ばれているそうだ。

2両編成の電車は、数人の乗客を乗せて高松城跡横の駅を出発。高松市内中心部の駅に停まる度に、次々と乗客が乗り込んできて、いつのまにか座席はほとんど埋まっている状態になる。そして、ほとんどの乗客は途中駅で下車して行き、琴平まで乗っていたのは1車両10人程度。

20160419-itinomiya-station.jpg
一宮駅と、御厩富士とも呼ばれる火山の六ツ目山(317m)

列車は、高松市内を出ると讃岐平野に広がる水田の間を走っていく。この平野を囲むように、すり鉢型の小さな火山が並んでいる。綺麗な円錐形の7つの火山は讃岐七富士と呼ばれているそうだ。農村地帯の集落には無人駅があり、その一つ一つに停車していく。単線の線路は保線状態が良くない場所もあり、列車が左右に大きく揺さぶられることもある。



琴平市街地

琴平駅で下車し、駅の隣にある金刀比羅宮 北神苑へ。ここには高灯籠がある。

20160419-kotohira-takatourou01.jpg
金刀比羅宮 北神苑 高灯籠

1860年に建てられた、高さ約28mの灯籠は日本一の高さを誇るそうだ。

20160419-kotohira-takatourou02.jpg

神苑と琴平駅から見て、道路を挟んだ向かい側に家電品などの産廃が山積みされている。観光地の駅の目の前に不法投棄の山…。

駅の横を流れる金倉川沿いに南の上流方向に歩いて行くと、一ノ橋とそれに直交する新町商店街(旧高松街道)のアーケードがある。更に数分川の上流に歩いて行くと、鞘橋と呼ばれる屋根付きの木造橋がある。

かつては「一ノ橋」の所に架かっていたそうだが、1905年に橋が架け替えられた時に、この橋は現在地に移設されたとのことだ。いまでは年3回行われる祭典の時にしか使われない「文化財」とのことだ。

20160419-kotohira-sayahashi.jpg
鞘橋

金刀比羅宮参道 : 一ノ橋〜大門

一の橋のところまで戻り、表参道へ

20160419-kotohira-omotesandou.jpg
表参道

沿道には「こんぴら歌舞伎大芝居」(2016年4月8日〜24日)のノボリが立ち並んでいる。一ノ橋(金倉川)から約250mのところから、金刀比羅宮に登る階段が始まっている。 階段は御本宮まで785段あるという。 (GPSロガーの記録では、標高差150mほど)

20160419-kotohira-omotesandou02.jpg
表参道の階段

今日は平日で、学校が休みではない期間なので、ほとんど参拝客(観光客)が歩いていない。Web検索すると、休日は沢山の人で混みあうようなので、のんびり参拝と写真撮影するには平日がいちばんだ。

20160419-kotohira-ichinosaka-torii.jpg
一之坂鳥居

一ノ橋(金倉川)から約500m来ると、一之坂鳥居がある。石段は113段/785段の位置だそうだ。鳥居の左側に見える赤茶色の狛犬は、重要有形民俗文化財「備前焼狛犬」だそうだ。

此処から先は、表参道は一之坂と名前を変え、更に上り坂の角度が急になっていく。

20160419-kotohira-daimonn-korou.jpg

一ノ橋(金倉川)から約650m(石段365段/785段)来ると、大門が見えてくる。此処から先は「神域」(境内)となり土産物屋などの店舗もなくなり、スッキリした風景となる。大門は水戸光国の兄である松平頼重が寄進したものだそうだ。

大門の向かって左側には鼓楼が、右側には金刀比羅本教総本部がある。総本部には綺麗な八重桜が咲いていた。

20160419-kotohirakyou-honbu.jpg
金刀比羅本教総本部

20160419-daimon-mae.jpg
大門前より一之坂を見下ろす

左側の建物は金刀比羅本教総本部。坂の遥か向こうには讃岐平野が見えている。

金刀比羅宮参道 : 大門〜御本宮

大門をくぐると、番傘をさした風流な露天が3軒ある。境内で営業を許された「五人百姓」という許可を貰った人たちだそうだ。此処から先、緩やかな広い坂道がしばらく続き、桜馬場と呼ばれている。坂道の両側には寄付者の名前を刻んだ石柱が延々と並んでいる。

20160419-kotohira-sakurababa.jpg
桜馬場

20160419-kotohira-sakurababa02.jpg
寄付石が延々と並ぶ桜馬場

桜馬場の中間辺りに、宝物殿へ分岐する道がある。その角に小林一茶の句碑。

“おんひらひら
蝶も金比羅参哉”

20160419-kotohira-itusa.jpg
小林一茶の句碑

一ノ橋(金倉川)から約900m(石段431段/785段)来ると、桜馬場西詰銅鳥居がある。1912年にこの場所に移設されたもので、左手には神馬を飼っている御厩がある。

20160419-kotohira-sakurababa-torii.jpg
桜馬場西詰銅鳥居

20160419-kotohira-sinme.jpg
神馬 「月琴号」

さらに振り返ると巨大な金色の船のスクリューが…

20160419-kotohira-propeller.jpg
大型船のプロペラ

1994年に今治造船が奉納した大型船用のプロペラ(スクリュー羽根)。直径6m、重さ19.2トンだそうだ。

銅鳥居をくぐり、急な階段を少しだけ登ると右手に社務所門がある。社務所門をくぐった中には書院と神札授与所がある。

20160419-kotohira-syoin.jpg
書院と神札授与所

さらに階段をしばらく登ると、一ノ橋(金倉川)から約1100m(石段628段/785段)の位置に旭社がみえてくる。社殿は1837年に造られたものだ。

20160419-kotohira-asahisya.jpg
旭社

ここから御本宮までは、登りと下りの階段が分けられている。間違えないように、登りの方へ行くと賢木門を通り、目の前に急な階段「御前四段坂」が現れる。

20160419-kotohira-yondansaka.jpg
四段坂

134段の四段坂(階段)の手前には「百度石」がある。百回登り降りするんですか… まさに地獄を見ますね。

20160419-kotohira-hyakudo.jpg
百度石

四段坂を登り切ると、目の前に御本宮(本殿)がある。ここまで一ノ橋(金倉川)から約1300m(石段785段)だ。暑い真夏なら苦しい坂道だろうが、爽やかな春の今は心地よい散歩程度に過ぎなかった。

金刀比羅宮 御本宮

20160419-kotohira-hongu.jpg
本宮

本宮の前には展望台があり、讃岐平野が一望できる。

20160419-kotohira-tenbou.jpg
展望台からの景色

せっかくここまで来たのだから、何か記念品を買って帰ろうと神札授与所へ。 黄色いお守りが有名らしいが、今回は神棚に飾る御札(木札 2,000円)を買った。

御本宮の左手にある神札授与所の、更に向こうには絵馬殿がある。ここには、日本人初の宇宙飛行士である秋山豊寛が奉納した巨大な絵馬が飾られている。

20160419-kotohira-emadou02.jpg

金刀比羅宮は海上交通の守り神なので、造船所、船のオーナー、海上自衛隊などの絵馬がずらっと並んでいる。

20160419-kotohira-emadou01.jpg
絵馬堂に飾られている今治造船の絵馬や、自衛隊、開場油田などの絵馬

金刀比羅宮 : 帰路

本宮から旭社前を通過し、どんどん階段を下ってゆく。旭社前を通過して少し階段を降りた辺りに、祓戸社前銅馬がある。

20160419-haraedo-horse.jpg
祓戸社前銅馬

どんどん坂道(階段)を下って行き、寄り道も、立ち止まっての撮影もしなかったので、琴平駅まで掛かった時間は約25分。

以降 『高松・琴平 その3 : 第83番札所一宮寺と高松城跡をめぐり神戸へ』に続く