01 September 2007

選挙に負けたら、ばら撒き政治復活ですか

【bloomberg】 麻生幹事長「改革急なら痛み止め注射・輸血も」

8月27日(ブルームバーグ):自民党の新3役に就任した麻生太郎幹事長、石原伸晃政調会長、二階俊博総務会長は27日午前、党本部で就任記者会見を行った。麻生・新幹事長は地方活性化策に関連して「改革は急激に進めばいろいろな既得権益の破壊が起こる。痛みが急激なら痛み止めの注射も輸血もいる。いろいろな対策をせねばならない」と述べ、中央と地方の格差是正に向けた対策を講じる必要性を強調した。

麻生氏は「この5年間で公共工事は半分以下になっている。地方では公共工事による部分が多い。公共工事の(前年度比削減幅を)一律3%(削減)という話があるが、開かずの踏切を直すのに公共工事を使ったり、電柱の地下埋設などいろんな意味で効果があるものもある」と言明。「公共工事を例に引いたが、経済成長と行政改革をやることと、きめ細かな対応で手当てすることは両立し得る」と語り、公共事業の重要性を訴えた。

これに対して石原・新政調会長は「構造改革は否定されたわけではないが、改革のスピードが速すぎるという悲鳴も聞いている。政権与党として公共事業積み増しというのではなくて、地方の欲していることに答えを出していきたい」と言及。

その上で石原氏は「大盤振る舞いみたいなものはやる余裕もないし、やるは必要ない。きめ細かな施策、地方にマッチした施策を打っていくよう具体的な予算編成、税制改正の中で取り組みたい」と語った。

民主党の 「農業補助金」 などのばら撒き公約の効果で、大勝利を収めたのを観察していた自民党が、今度は民主党に負けじとばら撒き政策をやるようです。

で、自民党のトップが思いついた公共工事の効果は 「開かずの踏切を直す」のと「電柱の地下埋設」だけ?
それくらいしか思いつかないの?

公共工事に携わっている糞役人が必死になって考えた台本がないと、政府の要人といえども公共工事の必要性なんてぜんぜん感じていないということでしょうか。

電線が空中を走っていても、道路の下に埋まっていても、一般市民はどっちでもいい話です。見栄えが悪いだけの理由で、毎月何万円も増税されたらたまったものではないです。

開かずの踏切で、問題になっているのって全国に何箇所よ。 自民党が問題にしているのは中央線なんだろうけど、何百億円も掛けて電車を高架鉄道にするより、1億円も掛ければエレベーター付きの歩道橋ができるんだけど。

一方で環境対策とか温暖化防止とか言っておきながら、通勤時間帯に自動車通勤する人の利便性のために、毎月何万円も増税されるのはごめんだな。

なんといっても環境に対して一番負荷が大きいのは公共工事なんだから。いまある社会インフラで死ぬほど困っていないし、日本の国際収支構造を大きく損なうような「開かずの踏み切り」や「電柱」は無いわけだから、それくらいの理由で公共工事やる必要性ないでしょ。


もしかして、自民党のセンセの頭の中では、トヨタの主力工場から輸出のための積み出し港までの道路に「開かずの踏み切り」や「垂れ下がった電線」が何箇所もあって、トラックが走れないなんていう理論が成り立っているんでしょうか。

「改革は急激に進めばいろいろな既得権益の破壊が起こる」 って言われても、失われた10年を含めて約15年近くの改革期間は費やしてきてるはずだけど。
いまだに、国土交通省や地方自治体の建設部局の職員が「半減以下」となっているという事実もないので、一人当たりの実質的な仕事量は予算額から見ても半減しているはずなのにリストラ不足。
造幣局、地下鉄、水道局、下水道局、市民会館、ゴミ処理など民営化しますという目標を立てている公営企業はいまだに存在し続けて、暴利をむさぼっているし。

このセリフは、「改革」ではなく「革命」なら尤もな話なんだけど、15年も掛けていては革命でも改革でもなければ、単なるダラダラ既得権擁護にしか見えんよね。

時代錯誤の公約で大勝利した民主党もアレだが、自民党もどこを見て政治をやろうとしているのか、まったく分かりませんな。

日本国民の3割以下の第一次産業や建設業をターゲットにしてばら撒き政治して、7割の国民がリストラやネットカフェ難民となるのを看過しているほうが、よほどおかしいんじゃないでしょうか。